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きょうのコラム「時鐘」 2010年2月12日
14日は猫もシャクシもチョコレート騒ぎを楽しむ日だが、手元の暦には旧正月とある。旧暦とは縁遠い暮らしになってしまった
このご時世に、2度も正月気分に浸るのも気が引ける。が、「盆正月」という言葉を思い出す。映画「武士の家計簿」撮影の記事にあった。最後の撮影が城下の盆正月の場面。藩主の代替わりや世継ぎ誕生などの慶事のとき、人々は仕事を休んで街に繰り出し、華やかな催しを楽しんだという 盆と正月。飛び切りの日を重ねた何の気取りもない命名だが、浮き立つ気分が十分に伝わる。二つを一緒に迎えるには、そこそこ懐が豊かでなくてはなるまい。懐以上に心にゆとりがあってこそ楽しめるし、それが心をもっとくつろがせる。先人たちは、何とすてきなことを編み出したのだろう 年の初め、本年こそ良い年に、と願ったが、不況風は収まらない。世界に冠たる企業にリコールの逆風が吹き、世界に立ち向かう経営統合話はご破算になった。政治は迷走が続く ここは一番、ネジを巻き直すときではないか。もう二つ寝ると「お正月」。暦の巡りは、心機一転を促すようである。 |