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【さらば革命的世代】第2部(7)「あいつらがナショナリズムを代行した」新右翼の鈴木邦男さん (1/3ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
弱小組織のリーダー
「全共闘の連中には数え切れないほど殴られた。ただ、正直あこがれる部分もあった」
全共闘の先駆けともいわれる早大闘争がピークを迎えた昭和41年、後に新右翼団体「一水会」を創設する鈴木邦男さん(65)は政経学部の3年生だった。新左翼系の学生集会が数千人規模で行われるのを尻目に、わずか20人程度で細々と気勢を上げた新右翼グループを率いていた。
「左翼全盛の時代で右翼学生は1%もいなかった。議論の場はあったが、論破もされたし、暴力もふるわれた」
母親が信奉していた宗教団体「生長の家」の影響で、愛国心を大切にしたいという意識が強かったという鈴木さんは「そうでなければ考えもせずに、全共闘の側に加わっていたと思う。右翼か左翼かなんて最初の人間関係がきっかけになるものです」
税務署に勤める父親の転勤で、幼少期は東北地方を転々として過ごし「高校三年生」が大ヒットした昭和38年、早大に入学。政経学部を卒業後、大学院を経て今度は教育学部に入った。都合8年の学生生活を送ったのは学生運動を続けるためだった。
“弱小勢力”の指導者として、全共闘運動の誕生から成長期を目の当たりにした鈴木さんは「バリケードの外から見ても本当に革命が起きるのではないかと思うほどの盛り上がりだった。それはたまらないと思った」とした上で、こう付け加えた。「今や愛国心や憲法改正を語る人が多い世の中になった。だがみな安全圏で言っているに過ぎない。当時は本当に命がけだった」