MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

ニュース:事件 犯罪・疑惑事故・災害裁判写真RSS feed

  • メール
  • メッセ
  • 印刷

【さらば革命的世代】第2部(4)“弟”に悪いことをした。全学連世代の西部邁さん (2/4ページ)

2008.9.18 21:42
このニュースのトピックスさらば革命的世代
60年安保を闘った西部邁さん60年安保を闘った西部邁さん

 ■スーパーエリート

 西部さんの学生時代の大学進学率は8%程度。全共闘時代の15%からみても半分であり、大学進学者がより一層限られた時代だった。全共闘運動にもエリート層の反乱という側面はあったが、全学連運動は、それに輪をかけた「スーパーエリート」たちが起こした行動だったともいえる。

 全学連には、後に中曽根内閣のブレーンとなる香山健一元学習院大教授(故人)や経済学者の青木昌彦スタンフォード大名誉教授(70)らもいた。西部さんを含め後に保守派に転じた人も少なくないが、全共闘世代に比べて、過去についてあけすけに語る人が多い。それは、スーパーエリートとして、一つの時代に対する責任を持っているからなのか。あるいは、自らの総括がきちんとできているからなのか。

 マルクスについて「くだらない」と述べた西部さんは後者に近い。拘置所から出た西部さんはメンバーの前で、わざわざ「学生運動をやめる。戦線逃亡する」と宣言した。怒った仲間もいたが、「これから何をするんだ」と問われると、「勉強するよ」とだけ答え、その場を去ったという。

 西部さんは当時の心境について「最前線でやった僕が法律的に裁判にかけられるということで、すでに帳尻は合っていた。だからやめた」と話し、その真意をこう述べた。

 「例えば全共闘では、仲間が半身不随になったり、逮捕されて人生がめちゃくちゃになるようなことがあった。もし、自分が運動に引き入れた仲間がそのような立場になったら、僕は逆に運動を続けざるをえなくなっていたと思う。幸い僕が逮捕されたことで、組織も弱体化し、すべてが終わった。後はもう、自分の裁判の心配だけをしていればよかった」

このニュースの写真

60年安保を闘った西部邁さん
西部邁さん
国会に突入する全学連デモ(昭和35年6月15日)
国会に突入する全学連デモ(昭和35年6月15日)

PR

PR
PR
イザ!SANSPO.COMZAKZAKSankeiBizSANKEI EXPRESS
Copyright 2010 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。