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【さらば革命的世代】第2部(4)“弟”に悪いことをした。全学連世代の西部邁さん (1/4ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
■大人の化けの皮
「どの時代でも青年が暴れると、それを見た少年は『抵抗の正義』を感じ取って興奮する。僕からみると全共闘世代はちょうど弟のような世代。僕らが彼らの反体制気分を扇動をしたと考えると、悪いことをしたかもしれない」
昭和40年代前半の全共闘運動より10年ほど前に起きた全学連運動。そのリーダーとして東大在学中に教養学部自治会委員長を務め、60年安保を闘った西部邁さん(69)。現在では保守論客として知られるが、当時は「左翼活動家」だった。その西部さんも中高生時代は、日本共産党の一部などひと世代上の若者たちが行った武装闘争に刺激を受けていたという。
小学1年生で終戦を迎えた西部さんは戦後教育の「一期生」でもあったが、民主主義やヒューマニズムといった教えを、幼心にも「きれい事だ」と感じていた。敗戦を境に、まるで手のひらを返したように思想を変え、戦勝国の米国になびく大人たちの姿が信用できなかったからだ。
「勝者への屈従の姿勢ですよ。その化けの皮をひっぺがえしてやりたいという衝動があった。だからこそ、反権力行動に刺激を受けたのでしょう」
西部さんが東大に入学したのは33年。自ら自治会室のドアをたたき、全学連に飛び込んだ。全学連中央執行委員、都学連副委員長として活動する中で逮捕、起訴され、7年近い法廷闘争も繰り広げた。
「ぼくはマルクスなんて何一つ勉強しないでやっていた。もちろん、斜め読みぐらいはしたが、本格的に読んだのは、逮捕されたあと拘置所の中です。そこで資本論を読んでみて、改めてくだらないなと思ったんですよ」
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