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【さらば革命的世代】第2部(1)機動隊員が見た許せぬ光景 バリケードの外から (4/5ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
「あちら側」
大阪市大では5人の学生が逮捕され、約8カ月に及んだバリケード封鎖は解除された。その後も大学当局は8日間にわたって機動隊の駐留を要請、学生の学内立ち入りが禁止になる異例の事態となった。当時大学側が市議会で明らかにしたところによると、一連の騒動による建物や備品などの損害は約1億5000万円。ラーメン1杯50円の時代を考えると、ダメージは相当な規模だったといえる。
学生たちに一定の“理解”を示した宮崎さんですら、いまだ許せない光景があるという。バリケード内の片隅で、図書館の本を燃やした形跡を見つけたときだ。季節は秋。夜は冷え込み、籠城(ろうじょう)生活も辛かったのかもしれないが、学生が本を燃やして暖をとったことに無性に腹が立った。
「われわれだって社会に不満がないわけではない。ただ、この社会には勉強したくてもできない奴だってたくさんいるんや。寒さぐらい我慢できない連中が、何が闘争だ、革命だ。甘ったれるのもいいかげんにしろと言いたかった」
その後も、数多くのキャンパスで同世代と対峙(たいじ)した宮崎さん。仮に警察官にならず、大学へ進学していたとしても、「自分が『あちら側』の人間になっていたかもしれないと思ったことは一度もない」という。