2010年2月11日 19時13分更新
倉敷市の水島コンビナートに製鉄所を持つ大手鉄鋼メーカーの「JFEスチール」は、製鉄所の3基の高炉のうち去年から停止させていた1基について自動車向けの鋼材などの需要が回復してきたため11日から稼動を再開させました。
JFEスチールは、世界的な景気の悪化で鋼材の需要が急激に落ち込んだことから、倉敷市にある西日本製鉄所の3基の高炉のうち最も古い第3高炉を去年1月から休止させていました。
しかし、エコカー減税などの経済対策の効果で自動車向けの鋼材や中国向けの輸出が増加していることから11日から稼動を再開させました。
11日は、第3高炉の前で火入れ式が行われ、高炉の安全や安定した運用を祈る神事が行われたあと、西日本製鉄所の野村寛所長ら6人がたいまつで高炉に点火する儀式を行いました。
JFEスチールでは高炉を休止させていた期間中に高炉の改修工事も行ったことから第3高炉の年間の生産能力は従来よりも50万トン程度増えるということです。
野村所長は「高炉の再開で生産体制は万全になった。足下の需要は自動車、電機に偏っているのでその他の分野も早く立ち上がって欲しい。雇用や資材の発注などを増やすことで、地元の経済にも貢献していきたい。」と述べました。