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【さらば革命的世代】(7)カリスマ講師の“闘争” (3/4ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
予備校とは
表さんの授業は、学生運動だけでなく、1960年代のロックや文化に話題が飛んだり、人生論に及ぶこともある。これまでの教え子は20万〜30万人。兵庫県西宮市の男性会社員(42)は20年以上前の予備校時代の表さんの授業を今も鮮明に覚えている。高校時代までには決していないタイプの“恩師”だった。
「当時、すでに学生運動は過去の話だったが、ものすごく身近に感じた。ただ、僕らを扇動していたわけではなく、物の考え方や教養の大切さを教えてもらっていたような気がする。『早く大学に行って本当の知識を身につけなくては』と思った記憶がある」
一方で一部の生徒の親からは「授業以外の話はしないでほしい」「左翼みたいな講師を雇うな」などの抗議を受けたこともあるが、多くはすぐに納得した。子供の成績が見事に上がっていたからだ。何よりも実績が問われる職場だからこそ“結果”に対しては誰も文句が言えなかった。
表さんは「私は学生運動の話を通して、子供たちをオルグしたいわけでも、思い出を語りたいわけでもない。『間違った世の中は変えなくてはならないよ』と言いたいのです」と話し、さらにこう付け加えた。