【さらば革命的世代】（４）ヘルメットかぶった日 (4/4ページ)

　山形さんは繰り返しそう述べたが、本当に言葉通りなのだろうか。「逃げ切った」「もてたかった」と口にすることで、あの時代を正面から総括することを避けているようにも見えた。かつてヘルメットとタオルで自分の顔を隠したときと同様に、若かりし日の理想や主張を軽い言葉でごまかしているようにも思えた。

　実はこの連載に「全共闘世代は決して読まないだろう」という意見が複数寄せられた。「全共闘よりやや下の世代」という男性（５７）はこう記していた。

　「革命を叫んだ自分と今の自分がどう違うのか。そこがあぶり出されるのがいやだからだ。自分自身が大人になってしまい、夢や理想を語っていたころを振り返るのが怖いからだ」

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