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【さらば革命的世代】(1)全共闘の“革命”は何を残したのか (3/4ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
■鎮魂の集い
華やかなパーティーだけでなく鎮魂の集いもある。
日大全共闘の墓参の会。メンバーは年に1度、千葉県八千代市の霊園に眠る中村克己さんの墓前に集まる。
日大全共闘は、全国の全共闘の中でも、大規模な学内民主化運動として、東大と並んで象徴的な存在だった。
中村さんは昭和45年、駅前でビラまきをしている最中、対立する学生グループの襲撃を受けて命を落としたという。22歳だった。
墓参は今年も2月17日、派手なセレモニーも余興もなく静かに行われた。
メンバーのほとんどは闘争の終焉とともに政治活動から離れた。
この日集まった人も自営業者、定年を迎えた会社員、公務員と、その後の人生はさまざまだった。
ただ、先の同窓会メンバーと違うのは、彼らが当時の闘争を「思い出話」としていないところだ。
「ノスタルジーなんかではない。誰が何と言おうとあのころ私たちは命がけで闘った。毎年墓参にくるのは、40年近くたっても彼の死が心の中でトゲのように刺さっているからです」
墓碑に刻まれた「全共闘戦士」の文字を見つめるメンバーらはそうつぶやき、重い口を開き始めた。