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【さらば革命的世代】(1)全共闘の“革命”は何を残したのか (2/4ページ)
■同窓パーティー
学生運動が最も高揚したとされる昭和43(1968)年から40年。当時20歳だった学生たちは今年ちょうど還暦を迎える。
ひところ、大量退職などで話題になった「団塊の世代」ではあるが、イコールではない。当時の大学進学率はわずか15%。「革命」を叫んだ若者たちは紛れもなくわが国のエリート層でもあった。
早稲田大時代の自身の全共闘体験を元に描いた小説「僕って何」で芥川賞を受賞した作家、三田誠広さん(59)は「僕らの世代は確かに理屈っぽくてプライドが高い人が多い。下から見ればうっとうしい世代だったのではないか」とした上で、こう指摘する。
「そうした世代が会社を離れると、精神的空白からニートのような存在になる。それでメタボになり病気になり、家族から見放される人もいるかもしれない。そんなふうになるなら20歳の頃に気持ちを戻して『老人全共闘』でもやったらいいと思う。今の年金や格差の問題にしても何も思わないのかという気がする」
聖火リレーの混乱に「血が騒ぐ」と話した村岡さんも、実際にこの問題で行動を起こしたわけではない。年金や自衛隊の海外派遣など「気になるテーマは多い」としながらも、声を上げることはない。一方で、さきの同窓会は「本当に楽しかった」という。
「定年を迎えてね。ゆっくりと思い出話ができる相手は貴重なんです。青春時代の革命の話なんて、当時の仲間にしか分ってもらえんでしょうから」
同窓会の終盤では、会場に「佐藤訪米を阻止するぞ!」というシュプレヒコールがこだまし、大いに盛り上がったという。
「佐藤」とは学生当時の首相、佐藤栄作のことだ。最後はソ連国歌でもあった社会主義歌「インターナショナル」の大合唱でお開きとなった。
おみやげには、当時の自分たちの「闘争」を記録したDVDが配られたという。