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【さらば革命的世代】(1)全共闘の“革命”は何を残したのか (1/4ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
■「血が騒いだ」
「血が騒ぐというか、懐かしかったですね」。メーデーの1日、ある地方都市の喫茶店。男性は「労働者の祭典」にはさしたる興味を示さず、テレビで見た長野の聖火リレー中継の話題でひとしきり盛り上がった。
中国という大国と、それに弾圧される少数民族チベット支援者らの闘い。一方で中国は社会主義国家であり、チベット支援者の中には右翼団体まがいの格好をした者もいる。
「どちらにつくのかと問われれば今は、弱者という点でチベット側だと思う。というよりもあの場にいたかったというのが本音かもしれない。小競り合いで流血した場面なんかは本当に身震いがしましたよ」
男性は村岡正さん(60)=仮名。2年前に小さな出版系会社を早期退職し、警備会社でアルバイトをしている。妻と独立した子供2人がいるという。
村岡さんはかつて、ある有名私大の全共闘メンバーだった。当時はセクト(党派)にも属し、闘士として自分なりに「革命」を目指していたという。
就職とともに運動から離れ、今は政治とは縁のない生活を送っているが、先ごろ、全共闘時代の仲間たちによる同窓会に参加した。
「中小企業の社長や大企業の管理職クラスも何人かいた。孫のいる女性もいた。たいした話はしていません。『バリケードは本当に寒かった』とか『マル機(機動隊)にやられて死ぬかと思った』とかね…」
会場はシティホテルのパーティールーム。会費は1万円。立食のバイキング形式で、会場には大書した「全共闘OB会」の看板が掲げられた。