「建国記念の日」の11日、佐賀県内では奉祝、反対派それぞれが各地で集会を開いた。奉祝派が自主憲法の制定や愛国心を育てる教育の必要性などを訴える一方、反対派は50周年を迎えた日米安保条約の廃棄や、米軍普天間飛行場の佐賀空港への移設反対などを訴えた。
県神社庁や遺族会などでつくる建国記念の日佐賀県奉祝会(宮原利弘会長)は、佐賀市の平和会館で「建国まつり」を開いた。宮原会長は「世界に類を見ない万世一系の日本の歴史を戦後教育は否定してきた」と批判。「ロマンを神話として伝える日本の歴史を子どもたちに教え、よりよい日本になるようまい進したい」と呼びかけた。
記念講演した三重県の水谷光男元伊勢市長は、東京裁判の不当性を解説した上で「今の憲法はGHQが2週間でつくったもの。国会で審議もされず、これを自主憲法と呼べるのか」と指摘。「今こそ自前で考えた憲法や教育基本法が必要」と訴えた。
一方、反対派の県高教組などは佐賀市のメートプラザで県民集会を開き、日米安保の廃棄に向け、世論を喚起していくことなどを確認した。
「安保50年と日本の進路」のテーマで講演した県平和委員会の関家敏正代表委員は「これまでの歴史を見ても、軍事同盟を口実に戦争に参加していった」と指摘。「PKOなど海外派兵の根拠となっている安保の廃棄に向け、国民的世論を盛り上げていこう」と呼びかけた。普天間飛行場の移設先候補として佐賀空港が取りざたされている問題について「現地でヘリの墜落事故などが起きている。そんな基地が佐賀に来た場合、どんな事態になるのか真剣に考えてほしい」と話した。
労組などでつくる県平和運動センターは、佐賀市など県内9カ所で紀元節復活反対を訴える街頭運動を展開した。近藤正俊副議長は、なし崩し的に進む自衛隊の海外派遣を批判。普天間飛行場問題にも触れ「佐賀や長崎など名前が出ると平和運動の分断にもつながる。移設拒否と沖縄からの撤退を求める決意を示そう」と呼びかけた。
【写真上】記念講演で自主憲法制定の必要性などを訴える水谷・元伊勢市長=佐賀市の平和会館
【写真下】基調講演で安保廃棄に向け、世論喚起を呼びかける県平和委員会の関家代表委員=佐賀市のメートプラザ
|