キャバクラ嬢に憧れる娘。放っておいていいのかプレジデント2月 4日(木) 10時 0分配信 / 経済 - 経済総合
お父様としては、さぞかし困惑なさっておられることと心中お察し申し上げます。 10代、20代の女性を対象にした「憧れの職業は?」という調査でキャバクラ嬢が上位にランキングされているとのこと。キャバクラに限らず夜の世界を華やかに描いた本やドラマが人気を博していますので、その影響でしょうか。ホステスは、きれいに装って、たくさんお給料のもらえるオイシイ職業だというイメージが若い世代に定着しているようです。 実際、私が銀座で経営しているクラブ「ル・ジャルダン」のホームページにも働きたいと考えるお嬢さんからのアクセスが月に100件以上もあります。私どものお店では容姿端麗はもとより、気品や知性、コミュニケーション力を備えた人材を求めておりますので審査は厳しく、書類選考を経て面接にこぎつけることができる方は10人ほど。その中から仮採用となるのが5人くらいなのですが、2年以上続く子はまれです。このことからもわかるようにホステスは決して楽な職業ではありません。 私は一人の母として、もし自分の娘が華やかさだけに憧れてホステスになりたいと言い出したら反対します。一番恐ろしいのは金銭感覚が狂ってしまうこと。夜の仕事でまとまったお金を手にした後、さらに将来のことを考え、現実と虚栄の世界との境界線をきちんと引くのは至難の業です。また、夜の世界を極めるためには普通のお嬢さんが抱く男性観を捨てる必要があります。今の時代でも良家に嫁ぐことの決まったホステスは過去を隠すのが常ですが、その理由は殿方が一番ご存じなのではありませんか? 娘さんにはまず、そうした厳しい現実を言って聞かせる必要があると思います。 とはいえ時代の風潮に感化された娘さんがホステスに憧れる気持ちを止めるのは容易なことではないでしょう。闇雲に反対すれば隠れて勤め始めてしまうかもしれませんね。そうした最悪な事態を防ぐためには普段から親子間におけるコミュニケーションを良好にしておくことが大切なのです。 そもそも娘さんはなぜホステスになりたいと思っているのでしょう? お金が欲しいからというのなら、まずその動機を探らなくては。もしかしたら男性に貢いでいるのかもしれませんよ。自分の娘がどんな悩みを抱えているのかも知らず、頭ごなしに反対をしても説得力に欠けてしまいます。 私がこの世界に入ったのは17歳のときでした。親には心配をかけましたが、母はそれならそれでと店に菓子折りを持って挨拶に来てくれました。「絶対に頑張り抜く!」と私も心に誓ったことを覚えています。大学教授をしていた父は私の大学進学を望んでいましたが、やはり最後には納得してくれました。打ち明けることができたのは、自分は親に信頼されているという自負があったからです。 そこで改めてお父様方に伺いたいのですが、あなたは家族を愛し、妻や子供ときちんと向き合ってきたといえますか? 胸を張ってイエスとお答えになるのであれば心配はいりません。親から充分な愛情を注がれ、まっすぐに育ったお嬢さんなら、多少道から逸れる時期があっても軌道修正をする力を育んでいます。一方、自分勝手で横暴な父親のいる環境で育ったお嬢さんは、満たされない不安定な心を抱えたまま自暴自棄で自虐的な生き方を選んでしまいがちです。 あなたが前者の場合なら、娘さんを信じ、よき理解者となって少しの間見守ることをお勧めします。勤める店が危険でないかどうかを見極めてあげるくらいでいいでしょう。けれど後者の場合には、まずはきちんと娘さんと向き合い、親子の絆を固めることが先決だと思います。 ----------------------------------------------------- ル・ジャルダン オーナーママ 望月明美 東京都生まれ。17歳で銀座デビュー。31歳で独立、企業トップから政治、芸能関係者までを顧客にする。 丸山あかね=構成 二石トモキ=撮影 【関連記事】 ・ なぜ、20代高学歴女子は「専業主婦」狙いなのか ・ 「OL内の待遇格差」1000人調査! ・ 仕事の満足感はどこから生まれるか ・ 『女36歳からでもキャリアは作れる』 ・ ますい志保が明かす「偉くなる男、ダメになる男」
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