「雇用のミスマッチ」という言葉をよく耳にする。企業などの求人と若者の希望する就職先のずれだ。「賃金や安定性などから、就職する側が製造業など『堅い所』を選ぶ傾向がある」。今春卒業の高校生の厳しい就職事情を取材した際、専門家はこう指摘した。
実際、県内でも医療・介護分野は、求人数が内定者数を大きく上回っている。同分野の給与水準や労働環境などに問題が残されているという証しだろう。少子高齢化を見据え、早急な対策が必要だ。若い担い手の「志」に頼り続けるのは、ミスマッチではなく政治の怠慢だ。(宗)
毎日新聞 2010年2月11日 地方版