長崎市立野母崎病院(同市野母町)の今年度中の民間移譲が白紙となった問題で、地元の四つの連合自治会が10日、田上富久市長に病院の存続を求める陳情書を手渡した。
陳情書では「高齢化が進む野母崎地域で過疎化に歯止めをかけ、安心して暮らすためには病院の存続は絶対に不可欠」として、4月以降の医療体制の維持を求めている。
田上市長は「地域の医療をゼロにしないことが最優先。今後どういう形が一番良いのか一緒に考えていきたい」と説明した。
市長はこれまでにも「一定の公的関与が必要。条件や環境を整えた上で(再公募したい)」と発言。具体策として医師派遣や他病院との連携などの可能性も示唆している。今後は地元住民に、これまでの経緯や見通しなどについての説明会を開く方針。【阿部弘賢】
〔長崎版〕
毎日新聞 2010年2月11日 地方版