最終更新: 2010/02/11 13:22

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民主・石川知裕議員、12日にも離党の方向 鳩山首相「出処進退は自分自身で決めるべき」

離党しない意向を示してから一夜、石川知裕衆議院議員が、12日にも民主党を離党する方向となった。その民主党は、枝野幸男行政刷新担当相が就任し、国民に人気の高い事業仕分け第2弾で、鳩山政権浮揚を図る。
9日、地元・北海道での会見では、離党や辞職はしない意向を表明していた石川知裕議員だが、「党に迷惑をかけたくない」と一転、離党する意向を固めた。
鳩山首相は「事実を申し上げれば、本人からはまだ何も聞いておりません。出処進退、自分自身でお決めになるべきだと」と話した。
石川議員は、12日に民主党に離党届を提出することにしている。
民主党の渡部恒三元衆院副議長は「石川君、かわいそうじゃないか。誰が悪いかぐらい、君ら、おれが言わなくたってわかるだろう」と話した。
新党大地の鈴木宗男代表は「(離党届提出が)あさってになったんですか? それはご本人が?」、「最終的には、ご本人がですね、賢明なご判断をされるもんでないかと」と話した。
自民党の石破 茂政調会長は「まさしく一転だと思います。きのうまで言っておられたことは何だったのかということで。一体、どういうような心境の変化なのか」と話した。
共産党の小池 晃政策委員長は「離党で、なんというか一件落着みたいなことは、絶対許されないと思います。『臭いものにふた』ですよね。ふたしても、臭いものは臭いものですから」と話した。
石川議員に何があったのか、その手がかりが9日の会見にあった。
石川議員は9日、「地域の代表として、一日も早く国会に戻って活動をするようにと、強い励ましを受けました。今後とも皆様方のご指導ごべんたつをいただき」と話していた。
9日の会見の原稿にあった黒く塗りつぶされた2行を読み飛ばした石川議員。
塗りつぶした部分には、「離党も議員辞職も考えておりません」と書かれていた。
さらにその下には、「自分で決める」との手書きの文字が書かれていた。
石川議員は9日、「自分自身で判断をしたいと思っております」と話していた。
すでにこの時、心は離党で決まっていたのか。
当初、石川議員は、小沢幹事長と会談し、最終判断するとみられていた。
しかし党内からは、「石川は小沢さんとは会わないよ。当初は、会って協議してからって話だったけど、今会うと、小沢さんが離党させると勘ぐられるからな」、「離党するって話は、もうとっくの昔に聞いてるよ。政権を守るには、離党するしかないって決まってたよ」といった声が漏れ聞こえる。
一方、「政治とカネ」で大きな傷を負った鳩山政権は、再び羽ばたくべく、秘策に打って出た。
鳩山首相は、10日の成長戦略策定会議で「まず開会にあたりまして、新しい大臣を1人ご紹介を申し上げます。枝野幸男大臣です」と述べた。
鳩山首相が発表した電光石火の閣僚人事。
10日、民主党の枝野元政調会長が、行政刷新担当相に就任した。
枝野行政刷新担当相は「今、国会でご審議をいただいている予算をできるだけ早く成立をさせるということが、まず内閣の一員として最優先課題だと思っておりますので。それが成立した以降に、できるだけ早い時期に(事業仕分け)第2弾を行いたいと」と述べた。
枝野行政刷新担当相は、事業仕分け第2弾を予算成立後、できるだけ早い時期に行うことを表明した。
国民の関心の高い事業仕分けで、世論の高まりを受け、7月の参院選に勝負を賭けるもくろみなのか。
事業仕分けの統括役として名を上げた党内きっての論客として知られている枝野行政刷新担当相。
国民新党の亀井静香代表は「人斬(き)り以蔵の仙谷(大臣)以上のね、さえを見せてもらいたいね。彼はなかなかできるよ」と話した。
自民党の大島理森幹事長は「今度は、政治倫理の仕分けを内閣ができるかどうか。まさに、そこからスタートではないでしょうか」と話した。
自民党の浜田靖一国対筆頭副委員長は「一説には、反小沢のメンバーの1人ということを聞いておりますんで」と話した。
枝野行政刷新担当相のもう1つの顔、「反小沢の急先鋒(せんぽう)」。
政治とカネの問題でも、小沢幹事長にけじめを求めるなど、責任論にまで言及していた。
枝野行政刷新担当相は「立場が変わっても、政治家としての基本的な立ち位置、考え方というのは、そのことによって変わるというのはおかしいというふうに思っておりますので、どの立場にあっても、考え方は一緒だというふうに思っております」と述べた。
小沢幹事長と距離を置く「七奉行」の1人でもある枝野行政刷新担当相。
七奉行の後見人である渡部恒三氏は「よかったね。いや要するに、鳩山内閣が非常に公平な人事をやった。有能な人はどんどん、なんか変なやつが邪魔したりしたって、絶対優れた人間は(大臣に)なれると。すばらしいことだと思うよ」と、口も滑らかだった。
そこへ枝野行政刷新担当相が現れ、渡部氏は「よかったな」と話しかけた。
枝野行政刷新担当相は「ありがとうございます。頑張ります」と答えた。
国会内でまさかの鉢合わせに、2人はがっちりと握手を交わし、喜びを分かち合った。
そして午後、枝野行政刷新担当相は早速、予算委員会の答弁に臨んだ。
自民党の金子一義前国交相が、「(小沢氏に)身を引くことも含めて、しっかりけじめをつけることが必要と。街頭演説で言われたけれども、今でも変わらないんですか?」とただした。
枝野行政刷新担当相が「全体でお話し申し上げた考え方については、変わっておりません」と述べると、金子氏は「枝野大臣、今おっしゃったことをよく覚えておいてください。国民があなたの発言をこれから注視します。いいですね?」と述べた。
予算審議中というタイミングでの反小沢の急先鋒の閣僚起用に、仙谷由人国家戦略担当相は「内閣が、これから前を向いて仕事をしていくという意味では、私は、タイミングとしては悪くないというふうに思いますけれども」と話した。
小沢色を薄めて、事業仕分けを武器に政権浮揚を狙う鳩山首相は「民主党らしさが戻ってきたなと。事業仕分け、やってるなというような姿をね、見せていきたいと。そのように考えたからです」などと話した。

(02/11 00:38)


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