豪、技術移住者2万人のビザ審査を取り消し

移住・永住権の条件を強化

移住のため現地で技術を学ぶ韓国人1万人が混乱

 オーストラリア政府が8日、2007年9月1日以前に独立技術移住を申請し、永住権取得を希望する人のうち、要件を満たしていない2万人余りのビザ審査を取り消し、ビザ申請費を返金するという決定を下した。同政府はまた、永住権審査の際に加算点を付与していた「不足職業群」のうち美容・料理など単純技術を除外するなど、移民法も強化した。今回の措置により、ビザ審査が取り消された2万人のうち、韓国人は4%に当たる800人とされる。しかし、オーストラリアに移住できる職業群の範囲が縮小・規制されたことで、韓国で移住の準備をしていた人や、現地の塾などに通いながら永住権取得に備えてきた韓国人留学生が影響を受けることになりそうだ。

 オーストラリア政府は07年から移住に関する条件を強化してきた。従来は移住を希望する人たちの技術や学力、経歴などを考慮して永住権を付与していた。しかし、現地の雇用事情の悪化などにより、07年から現地の雇用主が求める技術を保持する人に対し、優先的に移住を許可した。同政府が1年間に受け入れる移住者のうち、約半分が技術移住者だ。

 現地の関係者は「07年に法が強化されて以降、かなりの人たちが移住をあきらめるか、新しい技術を習得してきたが、今回再び条件が強化されたことで、永住権の取得がさらに難しくなった」と語った。このため、従来の独立技術移住を申請して韓国で待機していた人や、韓国人留学生、オーストラリアの移住関連業者が混乱に陥った。

 現在、永住権を得るためにオーストラリアで私設職業学校に通いながら単純技術を学んでいる韓国人は、1万1500人余りに達する。このため関連業者には同日、「移住のために準備してきた手続きがすべて無効になるのか」という問い合わせの電話が殺到した。オーストラリア政府側は、「ビザ申請費を返金した2万人のうち、韓国人は4%にすぎない。特定国家を念頭に置いた政策ではない」と発表した。

 韓国政府も同日、現地大使館に状況の把握を指示し、対策準備に乗り出した。しかし、政府関係者は「オーストラリア政府の措置が特定国家を対象にしたものでないならば、われわれがオーストラリア政府の政策に関与するのは難しい」と話した。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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