小さな頃から魔法が使いたかった。 みんな考えたことあるんじゃないかな。何でも思い通りになったら良いなって。でも大きくなって分別が身に付いてくると、魔法はフィクションやファンタジーの産物だからと諦めてしまう。 僕もそうだった。 諦めてしまうところだった。 でもね、ちょっとした閃きのお陰で魔法みたいな事ができるようになったんだ。 もちろんいきなりできるようになった訳じゃなくて試行錯誤や練習が色々あったんだ。 でもそれって逆に言えば、『練習次第でどうにでもなる』って事だよね? だからさ、やり方教えてあげるよ。キミも興味あるでしょ?キミならきっと僕なんかより上手くできるよ。 でも理論立てて話すのは苦手だからさ、僕の体験談を交じえながら話させてもらうよ。 人間ってさ、意外と曖昧にできてるんだ。 先入観とか思い込みで、本来なら起こらないような身体的あるいは精神的な現象が起こったりする。 ほら、聞いたことないかな? 片栗粉を薬だと思って飲んでたら癌が治った話とか事故で切断したないはずの腕の感覚があるって話。 僕の魔法ってこの辺がヒントになってるんだ。まず視覚イメージを利用して自分に対して強く思い込む事で他人の意識に同調する。上手く相手の意識に同調できたら次に強烈なイメージを植え付ける。相手がそう思い込んでしまうくらい強くね。そうやって僕に都合が良いように誘導していくんだ。 えっ?魔法って言ったら火を出したりするんじゃないのかって? う〜ん、練習次第でそういう方面にも応用できるかもしれないけどさ。 ぶっちゃけた話、そんな事しても面白くないでしょ?火なんてライターとかマッチで充分だよ。コンロだってあるしさ。 僕らみたいな年頃の男の子としてはさ、もっと楽しい事があるでしょ? そうそう、女の子だよね。 彼女なんて作ろうとしてもナカナカできないけどエッチはしたい。 それでこそ健全な男の子さ。 僕もそっち方面にしか使ってないんだ。健全だからね。 誰に使ったのかって? ええと、最初に試したのは同じクラスの藤野カオリ。席も近いしね。 最初って事は他にもいるのかって? 鋭いなぁ。まあそこは順番に話すよ。 藤野カオリとはもともとそれなりに話をする仲だった。 気さくなヤツで男女分け隔てなく明るく振る舞うから結構人気者。 顔立ちも悪くないし、体つきも年相応って感じに成長してる。背は僕と同じくらいだからちょっぴり高めなのかも。 普段はそうでもないけど、少しだけ色を入れたサラサラのボブカットを指で直す時なんか『女』を感じてドキッとしてしまう。 その日も藤野は元気に話し掛けてきた。 「おっはよー。ねぇねぇ、菅原。昨日のドラマ見た?」 その日の僕は魔法を実際に使う方法を色々考えていたのでちょっと反応が遅れた。 「え、あ、藤野…おはよ」 「何だよー、朝からボーッとして。あたしなんて昨日のドラマの感動を誰かに伝えたくてこんなにイキイキしてるってのにさ〜」 ちょうど良いや、藤野で試そう。 「マジで?昨日のは見逃しちゃったんだよね。どんなだった?」 話を合わせるフリをしながら僕は急いでイメージを組み立てた。 どんなイメージかって言うと、自分の表情や姿勢、つまり藤野から見た僕だね。 「アレを見てないなんて…でも安心して!喋りたくてウズウズしてたから。止めろって言われても話しちゃうよ〜」 初めてだから上手くいくかどうか…そう思いながら少しずつ藤野の感覚にリンクしていく。 「…でね、ヒロインが段々とソイツに惹かれていくわけ。でもソイツは…」 すると段々と藤野視点で僕が見えてくる。 やった、成功だ! おっと、慌てちゃ駄目だ。僕は藤野として話しながら怪しまれないように時々自分に相槌を打たせる。 さてどんなイメージを藤野に植え付けようかな。 「…ヒロインのことを別にどうとも思ってなくてね…」 そうだ、藤野が話してるドラマの内容を利用しよう。 僕はイメージを膨らませる。藤野が僕の事を好きで、でも僕はそれに気付かないからじれったくなってドラマの内容を話しているフリをして藤野自身の恋心を伝える。 ややこしいけどできるだけ藤野になりきってイメージを植え付ける。 …こんなものかな。僕は自分に意識を戻して藤野を観察してみる。 心なしか頬が赤くなって声も熱っぽくなった気がする。 「…でね、勇気を出して告白を決意するの」 どうなんだろう?上手くいったのかどうか、まだちょっとわからない。カマをかけてみよう。 「あ〜、やっぱり告白されるとそんなに気にしてなくてもグラッとくるよね」 「そ、そうなの。へ、へぇ〜菅原ってそういうのに弱いんだ…」 お?藤野の話し方がいつもと違う。 上手くいってるのかも? よし、念のためもう少しイメージを植え付けておこう。 さっきよりは意識の切り替えがスムーズにできた。何かコツがわかってきたかも。 で、イメージを植え付けて、と。 そこでチャイムが鳴った。 慌てて意識を戻すと教師が入って来るところだった。 藤野も席に戻っている。まあ、どんな結果になるか放課後を待とう。 もうね、授業なんて全然聞いてなかった。 何度か藤野がこっちを見たけど、それじゃまだ確信が持てない。 早く放課後にならないかな…。 どんなイメージを藤野に植え付けたかっていうと、結構単純なヤツで放課後になったら告白する為に僕を誘い出すって感じ。 でも流石にどうやって誘うとか、どんな風に告白するとかまではイメージを植え付ける事はできなかった。 途中でチャイムがなっちゃったからね。 とにかく、僕に告白とか今日の放課後とか、そういうイメージだけしか植え付けられなかった。 上手くいくと良いけど…。 そんな感じで悶々と考えている内に待ちに待った放課後がやってきた。 僕は内心ドキドキしながらもできるだけいつも通りに帰り支度を始めた。 ダルそうに欠伸とかしながら鞄に教科書やら何やら詰め込んでいると、鞄を持った藤野が近付いてくる。 「す、菅原。ちょっと相談事があるんだけどさ。今日、じ、時間ある?」 藤野が真っ赤な顔で僕に話し掛けてくる。 確かに藤野とはよく話す方だけど相談事を持ち掛けられたりするほど仲は良くないし、僕が相談しやすいタイプって訳でもない。今まで相談を持ち掛けられた経験は皆無だからね。 これは成功じゃないかな? 「ん。暇だから良いけど藤野が僕に相談なんて珍しいね」 できるだけ自然体で答える。 「え、あ〜何て言うか菅原にしか訊けないって言うか…」 鞄の持ち手の上で指をクルクルしながら真っ赤な顔の藤野がボソボソ言う。その仕草に期待が高まる。 「まあ良いや。何処で話す?藤野が話しやすい場所で良いよ」 適当にとぼけて立ち上がり藤野を促す。 「あ、ありがと。じゃ、じゃあさウチに来てくんないかな?」 僕の言動に藤野がパッと表情を明るくして言った。 藤野の家へ向かう途中会話を試みたけど藤野はポーッしてて上の空って感じで大して話せなかった。 かと思えばじっと僕を見つめてくる。 そんな感じで藤野の家に辿り着いた。 藤野の部屋はテーブルに雑誌が二、三冊出しっぱなしになってるくらいで結構片付いていた。 示されたクッションに座ってキョロキョロしていると紙パックジュースとグラスを持った藤野が戻ってきた。 テーブルにジュースとグラスを置くと藤野も近くのクッションに座った。 「で、相談って何?」 ジュースを一口飲んでから聞いてみる。 「ええと、それはその…」 グラスを両手で持った藤野が口ごもる。チラチラと窺うように僕を見る。 「好きなヤツでもいるの?」 そう仕向けた癖に僕はわざととぼけた。 「えっ、ちょっ、何で、もしかして知ってるの?」 「いや知らないけど、何となく。好きなら告白すれば良いんじゃない?」 「いや、その恥ずかしいし、上手く伝えられるか分かんないし、緊張しちゃうじゃん。」 なるほど、そういう気持ちがあったから相談なんて回りくどい誘い方をしたのか。 待てよ、ならそれを利用すれば…。 藤野の反応で魔法の効果を確信した僕は素早く意識を切り換えると新しいイメージを植え付けた。 その間、僕に「藤野が好きなヤツってどんなヤツなの?」なんて言わせて時間を稼ぐ。 どんなイメージを植え付けたかって? いやね、前までの僕なら藤野に告白されたらすぐにOKしただろうけどさ。これは魔法の効果だし、こうやって魔法が使えるなら藤野以外にも色々試してみたいでしょ?そうなると彼氏彼女の関係は面倒になるかなって思ってさ。 ほら、僕って健全な男の子だから。 それでこういうイメージを植え付けたんだ。 『ホントに告白するのは恥ずかしくてできないけど練習だったら恥ずかしくない。いつもは恥ずかしいような行為も練習なら恥ずかしがらずにできる。菅原と沢山練習がしたい。』 さあ、これで良し。僕は意識を戻した。 その間も藤野は僕の特徴を色々と話している。名前は言わないけどバレバレだ、なんたって僕の事だしね。 「じゃあさ、『練習』で僕に告白してみなよ。聞いた感じ、僕に似たヤツみたいだし。それに『練習なら恥ずかしくない』だろ?」 藤野は一瞬キョトンとした表情をしたがすぐに満面の笑みで答えた。 「そっか練習なら恥ずかしくないもんね!菅原、頭良いじゃん!」 そして髪を軽く整えたりしてからコホンと咳払いをして言った。 「あたし、菅原のことが好き」 ヤバい、クラッときた。藤野の真剣な眼差しにドキドキする。 「ほら、練習なんだからちゃんと相手してよ」 藤野が急かす。そうそう、これは練習なんだ。落ち着け、僕。 「う、うん。えっと…嬉しいな。僕も藤野の事好きだから」 「ホント!?嬉しい!」 藤野が胸に飛び込んでくる。慌てて受け止める。 あ〜、女の子って柔らかいな。何か良い匂いするし。 「あたし菅原のカノジョになれたんだ。えへへ」 藤野が僕の胸に顔を擦り付けてくる。 反則だ!可愛すぎる!レフェリー、反則です! ドキドキした僕はいるはずのないレフェリーに呼び掛けた。 落ち着け、僕。次の段階に進むんだ。 「あ、あのさ藤野。恋人同士になったら、その、キスとかするよね。それも『練習』しとかない?」 「そ、そうだよね。いきなりだと恥ずかしいけど練習しておけば大丈夫だよね」 そう言って目を瞑る藤野。ドキドキしながらそっとその唇に口付けた。 ゆっくりと口を離すと目を開いた藤野が口を開く。 「き、キスってさ。色々あるじゃん。ほ、他のも練習しようよ」 そういって口付けてきた藤野。そして僕の唇におずおずと舌を這わせてくる。僕はゆっくりと口を開くと舌を突き出して藤野の舌をまさぐる。やがてどちらからともなく開いた口を押し付けあい、口の中で舌を絡めあったり、歯茎を刺激したりした。 こ、これがいわゆる大人のキスと言うヤツか…。 しばらく続けていたが段々鼻からの酸素では足りなくなって口を離す。 唾液の橋が架かるのが何だかいやらしい。 藤野の目がトロンとしている。 「キスだけじゃなくてもっと色々と『練習』しようか?」 僕がそう言うと藤野はコクリと頷いた。 制服の上から藤野の身体中に手を這わす。何処もかしこも柔らかい。 切なげに身悶える藤野を見ていると堪らない。 僕は背中側から藤野の制服に手を突っ込んでブラのホックを探り当てると、しばらくいじって構造を確かめる。 (なるほど、こうか) そのままホックを外すとブラが緩んだので上へと押し上げる。 直接胸を触っても良かったのだが敢えて制服の上から乳首の辺りを中心にして撫で擦る。 「あぁ、菅原。それ、ヤラシイよぉ…」 堪らず藤野が声をあげる。 「『練習』だからね。恥ずかしがらずに気持ちよくなって良いんだよ」 「ふぁぁ…」 耳元で囁くと藤野が声を洩らした。 ヤバいなぁ、藤野の感触だけじゃなくて反応も何かイイ。 スカートに手を突っ込んで股間をまさぐるとパンツはしっとりと濡れていた。 その事実に興奮した僕は藤野をベッドにうつ伏せに押し倒した。 「やぁん。す、菅原ぁ、や、優しくして」 何となく気配を感じとったのか藤野がそんな事を言った。 でもゴメン!もう我慢できないんだ! 僕は自分のガチガチになったちんぽを取り出すと、脱がすのも面倒だと言う感じで藤野のパンツを膝上くらいまで適当にずらした。 そして股ぐらに手を突っ込んで穴の感触を探す。幸いすぐに指がヌルリと入る部分が見つかった。 ここが藤野のまんこの穴なんだ…。 気持ちは感慨に浸ろうとするけれど、身体にそんな余裕はない。 自分の指をガイドラインにして藤野のまんこにちんぽをネジ込んだ。 「ひぎゃあ!」 藤野が凄い声を上げる。痛かったみたいだ。でも僕は凄く気持ちいい。暖かくてニュルニュルと絶妙な力加減で僕のちんぽを締め付ける。 ヤバい、藤野のまんこサイコーだ。 痛そうな声を上げた藤野を気遣ってやりたいけど、僕の腰は勝手に動いて止まる気配がない。 「あ、ぐ、すが、わ、らぁ…」 藤野が懸命に痛みを堪えながら僕の名前を呼ぶ。こんな状況だってのに健気だな、クソ、可愛い。何とかしてあげたい。 そうだ! 止まらない腰の事は放っておいて、僕は必死で藤野の視界をイメージした。 ベッドに押し付けられて視界は白いシーツで一杯だろうから簡単だった。 急いで藤野に同調してイメージを植え付ける。僕も限界が近いから細かいことは抜きで。 『キモチイイ!キモチイイ!菅原とのセックスサイコー!』 意識を戻した途端に藤野が喘ぎ始める。 「ふぁぁ、なにコレ?さっきまで、あぁん、痛かったのにぃぃ、いいよお、んん、スゴいぃ、キモチイイよ、すがわらぁ、あたしぃ、だめぇ、だめんなっちゃう、ゃぁん」 同時に藤野のまんこが別の生き物みたいに蠢き始める。だ、駄目だ。そんなにされたら僕も…。 丁度奥まで突き込んだ時だったからとてもじゃないが間に合わなかった。 僕は藤野のまんこの中にドブドプ精液を流し込んでしまった。 「ふわぁぁ、あつい、すがわらのが、おくにぃ、んぁぁぁ!」 少し遅れて藤野が叫ぶ。逝ったのかもしれない。 それから三回くらいヤってようやく僕らは落ち着いた。 二人して制服は中途半端な半脱ぎ状態でぐちゃぐちゃ。 服くらい脱げよって思うかもしれないけど、そんな余裕なかった。マジで。 藤野のベッドに倒れ込んでからしばらく経っただろうか。 「…ねぇ菅原」 「なに?」 「あたしさ、どうでも良いことは色々喋れるんだけど、告白とかになるとてんで駄目なんだ」 「そうなんだ…」 「だ、だからさ、菅原がもしヤじゃなかったらさ…また練習に付き合ってくんない?」 『付き合って』の部分がちょっとだけ強調されていた気がする。ほんのちょっとだけど。 それは僕が藤野に思い込ませた気持ち。でもこれからも藤野は練習と言い張ってドキドキしながら僕と恋人気分を味わい、それで我慢しようとしている。 何だかいじらしくなって思わず藤野を抱き締める。 「す、菅原?」 「いつかの為に一杯『練習』しような」 少し離れて正面から藤野を見て言う。 遅れて満面の笑顔で抱き締め返してきた。 僕が藤野を愛しいと思ったのは事実だ。 でも同時に違う事も考えていた。 次は誰に魔法を使おうか…。 < つづく >
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