朝比奈みくる役・後藤邑子
三角関係など、恋愛の話が出てくるんですが、ふと自分がその三角関係の中からあぶれてしまってることに気がついてしまって。あれ?みくるはキョンが好きだったよな〜と。でもその切なさがみくるらしいなと思います。今回はちょっと腹黒いと評判の大人みくるが活躍しますので、そこがすごくうれしかったです。4年前に第1シリーズをやったとき、スタッフさんから「後藤さん、大人の役できる?」と散々言われたんですが、それが今回の大人みくるの安定感ときたら。私もこの4年間で順調に成長したんだなと思いました。
古泉一樹役・小野大輔
三角関係の話が出てきましたが、僕も三角関係に参加させてもらいました。いやぁもう、うれしかった。アフレコが始まる前、ストーリーに関する説明があったんですが、そこで自分から率先して訊いたんです。「『消失』では古泉、いや僕は、ハルヒ、いや綾ちゃんを愛していいんですか? 愛していいんですよね!?」と。そうしたら綾ちゃんに「絶対嫌です!」と即答されまして……結構傷つきますね(笑)。この作品ですごく巧いなと思ったのが、音の使い方。複数の人のセリフが被っているんですが、その被害を一番被ったのは僕です! ハルヒのセリフが被る被る! アフレコのときはどうなるか分からなかったんですが、古泉のセリフが全部消されてるんですよ! 観ててちょっと悲しくなってきました……。でもそこが絶妙な演出で、聞こえなかったセリフの内容があとから判るんです。その巧さに感心しました。この作品が僕が演じる最後の作品になってもいい、それくらい魂を込めて演じさせていただきましたので、この映画、そして『涼宮ハルヒ』という作品をずっと忘れないでいてほしい、そう思います。
朝倉涼子役・桑谷夏子
皆さんお久しぶりです。4年ぶりの朝倉涼子です。朝倉涼子を演じるのは第1シリーズ以来なので、本当にプレッシャーを感じていました。第1シリーズでも今回の劇場版でも、朝倉涼子の登場シーンはそれほど多くないんですが、短いシーンでも彼女が与えるインパクトはすごく大きく、音響監督の鶴岡さんにも「朝倉涼子は絶対妥協しない」と言われまして、ここまでダメ出しされるのは久しぶりというほど、何度もリテイクをしました。映画というのはTVとは違いお金を払わないと観られないものなので、お金を払ってでも観たいと思わせるだけのクオリティが必要だと思うんです。私は試写会で観させていただいたんですが、それを観て、自分でお金を払って劇場でまた観たいと思えるほどの出来で、制作側の人間の一人として、すごくうれしかったです。これも皆さんが『ハルヒ』を応援し続けてくれたお陰だと思っています。
鶴屋さん役・松岡由貴
パラレルワールドの鶴屋さんは、キョンに対して本気で怒ったり凄んだりするのですが、これまではどんなことがあっても絶対笑っていてくださいと言われていた役だったので、それがすごく意外で。劇中に「怒髪で突くよ」ってセリフがあるんですね。鶴屋さんの髪って脚まであるのに、それが逆立って突くって。そんなことを想像しながら、ワクワクしていました。私はホラー大好きなので、朝倉が出てくると非常にテンションが上がります。私も笑いながら「死ねばいいのに」って言いたい! 朝倉いいですよね〜。