夢かなった!バスケ日本代表

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両親はガーナ出身 東郷中2年・馬瓜エブリンさん

家族とともに日本国籍を取得し、16歳以下日本代表に入った馬瓜エブリン選手(左から2人目)。右隣は11歳の妹ステファニーさん=愛知県東郷町で
家族とともに日本国籍を取得し、16歳以下日本代表に入った馬瓜エブリン選手(左から2人目)。右隣は11歳の妹ステファニーさん=愛知県東郷町で

 西アフリカ・ガーナ出身の両親を持ち、10月に日本国籍を取得した愛知県東郷町立東郷中学2年の馬瓜(まうり)エブリン選手(14)が、30日からインドで開かれるバスケットボールの第1回アジア16歳以下女子選手権に日本代表として出場する。両親に支えられてつかんだ、あこがれの舞台。「日本代表は小さいころからの夢。日本人と認められて、すごくうれしい」と喜びをかみしめている。(運動部・吉岡雅幸)

 静岡大大学院を修了後に愛知県内の工業部品メーカーで働く父ニコラスさん(57)と、母フランシスカさん(43)の長女として同県豊橋市で生まれた。3歳下には妹のステファニーさんがいる。

 馬瓜選手は小学3年でバスケットボールを始めた。今でこそ180センチの長身と跳躍力を生かして活躍するが、悩んだ時期もあった。

 周りの子たちと同じように日本語を話しても、肌の色など見た目は違う。小学4年の時、周囲にからかわれて落ち込んでいると、キリスト教徒のフランシスカさんに励まされた。「言う方が悪いけど、許す心も必要だと聖書には書いてある」

 苦しみを和らげてくれた母に「あの一言があったから、今の自分がある」と感謝する。その後は着実に力を伸ばし、昨年11月に2学年上が主力の代表候補に飛び級で選出された。代表の林慎一郎監督が「体の強さは年上に負けない。同年代ならチームの中心」と話すように高い評価を受けている。

 中学生でただ1人、12人の最終メンバーに残れたのも両親のおかげだった。20歳未満で日本国籍を取得するには、親も日本国籍が必要。日本代表という夢をかなえてほしいと、一緒に取得してくれた。馬瓜選手は「日本人にしてくれたことに恥じないプレーをしたい」と心に決めている。

(2009年11月28日)