太田農水相・親族企業 政党助成金を使いまわして顧問報酬?/JCJふらっしゅ

2008-08-31 17:10:00 | 社会
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□■太田農水相・親族企業 政党助成金を使いまわして顧問報酬?

 太田農水大臣が、親族の企業から事務所を借り、政党交付金から家賃を支払ってい
たことがわかった。太田氏はさらに、その親族企業の顧問をつとめていた。

 RKB毎日が報じたところによると、太田農水大臣が代表を務める自民党福岡県第
3支部は、1996年から2006年までに約3647万円を政党助成金を使って、
太田氏の実父が取締役をつとめる不動産会社に対して、事務所の家賃として支払って
いたという。また、福岡市に事務所を置く資金管理団体「誠山会」でも、実際に支払
っている家賃よりも大幅に多い事務所費を計上していることがわかったという報道も
ある(→しんぶん赤旗)。

 さらに太田氏はこの親族企業の顧問をつとめ、収入を得ていることもわかった。太
田氏は30日、「家賃の支出は適正だった」としている。毎日新聞によると、太田事
務所は「法的に問題はない。通常の商取引として近隣相場の額で賃借している」と説
明しているという。また太田氏は、受け取っていた顧問料の金額については明らかに
していない。

 太田氏は、落選中から今年8月に大臣に就任するまでの間、この企業の顧問として
収入を得ていた。いまのところ顧問料の金額については明言していない。だが、その
顧問料収入と、太田氏が代表をつとめる自民党支部が事務所費として支払った家賃
(原資は政党交付金)との見合いを明らかにする必要がある。太田氏が代表を務める
自民党支部は、太田氏の実父が取締役をつとめる不動産会社から家賃相当額の寄付を
受けることもできないわけである。

 逆に、太田氏の実父が取締役をつとめる不動産会社は、取締役の息子が代表をつと
める自民党支部に寄付をする気はないものと思われる。少なくとも支部事務所家賃の
部分をみる限り、太田氏の政治活動を支援しないという姿勢が明確といえる。自民党
の支部に家賃分などを政治献金して、それを支部から家賃として還流させるやり方を
とるわかりにくい手間を省き、最初から政党支部が家賃相当額の寄付を受けたものと
して収支報告書に記載すればよしとするのが総務省の考え方といえる。

 しかしながら、この太田氏の親族不動産は、金銭のやり取りの構造をみるかぎり、
献金もしない、寄付もしない、太田氏の政治活動には関与しないという姿勢を貫こう
としているといえる。一族であろうとビジネスとして家賃は取る。そのかわり不動産
会社の顧問としてやとってやる。その報酬は支払おうじゃないか、という関係である。

 そうなると大事なのは、その実態である。太田氏がこのケースを「問題ない」とす
る場合、太田氏の親族企業は、太田氏の政治活動にまったく、微塵も関与していない
ことが求められる。その場合には、太田氏が代表をつとめる自民党の支部が政党助成
金から家賃を支払おうが問題はなくなる。逆に、太田氏の政治活動を支援していたり、
また太田氏の政治活動やそれを支援する活動がこの親族企業の事業になんらかのかた
ちで関係していた場合には、これは明らかに親族企業は政党助成金を不当搾取してい
ることになる。さらにそれを太田氏の顧問報酬として太田氏に支払っているというわ
けだから、太田氏及び親族企業は二重に不法行為を働いてきたと断ぜられてしかるべ
きである。

 そもそもこの政党交付金そのものが、政治資金の透明化、清浄化を目的としたもの
であるにしても、政党の政治活動の費用を国民の税金でまかなおうとする性格を有し
ている。そのため、歳費以外に政党交付金をうけとり続ける政治家及びそれを統括す
る政党は、まるで自分たちが国家公務員の上に立つ支配者かなにかのように勘違いす
る可能性を当初から有している。

 そしてこの太田氏の例の場合、その政党交付金を同族企業の事業の経費として使い
まわし、ひどいことに太田氏本人の報酬として還流させた可能性があるわけだから、
この混乱は、政治を同族企業の事業と化していることを示している。これは政党交付
金の制度がもつ重大な落とし穴であり、そのスキを太田氏及びその同族は突いたもの
といえるわけである。これを政党や政治に対する背信行為と呼ばずしてなんと呼ぼう。
政府や野党だけでなく、自民党はこの獅子身中の虫を厳しく排除しない限り、政治と
事業を一体化させ、政党助成金をつかいまわす政治企業の集団と断じられることにな
ろう。

 もちろんここで挙がっている太田氏の同族及び同族企業が、一切太田氏の政治活動
とかかわったことはないというのであれば、話は違ってくる。その場合、政党助成金
の制度そのものを厳しく問うことだけが課題となる。政党助成金が特定の企業の事情
構造に組み入れられ、政治が企業活動と一体化することを是とするのか非とするのか。
企業等からの見境のない政治献金が政治をゆがめてきたことを是正するのが目的とし
て掲げられたはずの政党助成金が、政党や政治家と企業とを一体化させる役割を果た
している可能性を考えると、政党助成金は、政治のビジネス化を促進するものといえ
る。

 それは高度情報市民社会における政治家の選出構造として、果たして妥当であると
いえるであろうか。国会議員のやることとして妥当性を有するだろうか。情状酌量の
余地があるだろうか。

 そう考えてくると、社会福祉予算を削れるだけ削ろうとし、また非正規社員が3人
に1人を超える経済社会の現状、働けど働けど貧困の度合いを募らせるワーキングプ
ア層を広げ続ける労働政策の現状にあって、政党助成金の制度は日本のバブル経済を
依然引きずり、またその遺産を象徴する制度ということもできよう。さらには、前に
も述べたように、政党助成金制度は本質において政治家や政党を特別扱いする制度と
いえる側面を有しているがゆえに、国の主人公である国民によって選出されるべき政
治家を、国民の支持より宣伝に走らせることになる。

 政党助成金が多ければ多いほど、つまり現有議席数が多ければ多いほど、政治家や
政党は政党助成金のうえにあぐらをかける算段となる。太田氏の様に一族の企業をつ
かって政党助成金を「洗浄」し、自らの報酬にして平然としている輩が出てくる。こ
れを放置してよいはずがない。

 そして政治家が政党助成金をつかって宣伝に依存することと、メディアを自らの宣
伝に利用しようとすることは、紙一重の関係である。また政治家が政党助成金をつか
った宣伝に依存を強めることは、そのまま自らを選出する国民を軽視し、自らの都合
のよいように政治機構を支配できるという勘違いをもたらしかねないのである。国民
の政治監視、メディアの政治監視が弱ければ、そのまま日本の政治はそこに巣食う政
治家たちとともに腐敗・堕落していく。

 私には、この太田氏およびその親族企業がおこなってきたとされる行為は、まるで
マネーロンダリング(資金洗浄)のようにさえ思える。政党助成金創設の趣旨から大
きく脱線し、制度を悪用しておきながら「支出は適正だ」と居直る。太田氏本人はこ
の制度の趣旨をまったく理解できないか、あるいはどんな制度やルールもその趣旨で
はなく、使い道だけを考えようとする人なのかもしれない。

 そのいずれであれ、太田氏の言い分をこのまま放置することは、政党助成金が闇資
金となって政治企業集団を日本中にはびこらせ、世襲議員たちを特権階級、日本の支
配層であるかのように固定化させることを日本社会として許容することになる。

 それは、そのまま日本の民主主義を危機へと貶め、そのまま政治を衰退させ、日本
総体を沈没させていくことにつながりかねない。政党助成金をうけとる政党・政治家
も、そうでない政党・政治家(共産党は資格を有するがうけとっていない)も、垣根
を越えて太田氏の逸脱行為を糾弾し、即刻やめさせるべきである。もちろん閣僚など
許すべきではないし、太田氏、同族企業とも、国会議員を世に送り出すうえで制度の
悪用があったことを認めるべきなのではないだろうか。


親族企業に事務所家賃(RKB毎日)30 13:29
http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/010309.html
太田農相:支部が親族会社に家賃支出 11年間、交付金で3647万円
(毎日新聞)30日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080830ddm041010108000c.html
太田農水相 福岡事務所費も疑惑 05―06年 1400万円余が不透明
(しんぶん赤旗)31日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-08-31/2008083101_03_0.html
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親族企業はパー券購入 (とおりすがり)
2008-08-31 23:22:37
上野博之氏のブログ「ある憲法研究者の情報発信の場」によれば、「九州勧業」は2006年だけでも太田大臣の資金管理団体の政治資金パーティ券を購入(150万円)していたとのことです。

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