県議会健康福祉病院常任委員会は9日、県立病院改革を巡る議論の参考にするため、竹田寛・三重大医学部付属病院長と駒田美弘・同大大学院医学系研究科長から意見を聞いた。竹田院長は県立病院へ同大付属病院から医師を派遣する場合、「今すぐに1人、2人という話であれば、内科医ではなく家庭医(総合診療医)になる」との見解を示した。
竹田院長は、現在の内科医は専門に特化する傾向を強めていると指摘。「まずは、さまざまな分野を学んでいる家庭医に突破口を開いてもらうしかない」と述べた。医師にとって魅力的な県立病院にするにはどうすればよいかという質問には、「活動的な医師を1人呼び、目玉になるような最先端の装置を一つ入れると、状況が変わるのでは」と提案した。
駒田研究科長は「外来患者がどんな病状でどこから来たのかなど、地域医療についてのデータが不足している。医療政策を議論するためには、もっときめ細かな分析が必要」と指摘した。【岡大介】
〔三重版〕
毎日新聞 2010年2月10日 地方版