一つ屋根の下

学校から帰って来て直ぐに、母親に達彦叔父さんが四年振りに海外出張から帰って来ると聞いた俺は、意識して素っ気ない声で「ふうん」と返すと、急いで階段を昇って部屋に入った。


そのまま鞄を放り投げ、常備してある古新聞を床にひいてズボンのベルトを緩める。


下着も靴下もズボンと一緒にずり下げて下半身丸出しになると、机の引き出しからハンドクリームを取り出して、俺は新聞紙の上に大股開きで座った。


「はあっ、はあっ、はあっ……」


息が上がり、身体が熱くなっているのが分かる。


開いた足の中心にあるペニスは、既にかちかちにそそり立ち、先っぽからは透明な汁が溢れていた。


ハンドクリームを指先に取り、性急にアナルに塗りたくる。


毎日のように繰り返している行為に、俺のアナルは難無く二本の指を飲み込んだ。


「あはぁんっ!んふっ、ふひっ…!」


ちゅぷちゅぷ、くちゃくちゃと粘着質な音を立てて尻の穴を掻き回せば、触れてもいないペニスがぴくぴくと蠢く。


挿入した指でぐちゃぐちゃに中を弄っていると、自然と排泄物が出口目掛けて下って来るのが分かった。


「はあぁあ…、やぁん……」


開いていた目を閉じて、感覚をより鋭敏にしようとする。


すると、瞼の裏に一人の男が現れて、俺に微笑みかけた。


「あっ、あっ、叔父さっ……!達彦叔父さん……!」


何年も前の事なのに、未だに俺ははっきりと思い出すことが出来る。


狭い空間に、篭った空気。


換気扇の回る音と、叔父さんの荒い呼吸音。


あの時あの場所で、叔父さんが言った一言一句、俺は忘れてはいなかった。


『祐樹君、もっとちゃんと足を持って……、そう、ああ、祐樹君のお尻の穴がひくひくしているよ……』


『おや、どうしておちんちんが大きくなっちゃったのかな?祐樹君は叔父さんにお尻の穴を見られて興奮しちゃったの……?』


『ああ…、祐樹君のオナラは良い匂いだ…。

おおっ、出て来たよ!祐樹君、祐樹君のウンチがほら、いっぱい出て来たよ!』


そう言って、訳も分からず、だが明らかに興奮していた俺が排泄するのをじっと見詰め、全部ひり出した俺の汚れたアナルを叔父さんは指で掻き回したのだ。


排泄物の匂いに包まれながら、俺はあの時、初めて尻の穴で射精した。


その叔父さんが、帰って来る……。


その再会の時を思い描くだけで、俺のペニスは限界まで追い詰められていった。


「あはっ、叔父さ……!出る、出るよ…!俺ぇ、ウンチ出ちゃうぅ……!!」


叔父さんに触って貰ってるところを想像しながら、ずりずりと指を出し入れする。


いくらも待たないうちに、排泄物が指先を汚した。


「ああ、ああぁああっ……!」


ぶりゅぶりゅと汚物をひり出して行くと、合間合間にブピッ、と放屁の音が響く。


何とも言い難い匂いと開放感に包まれながら、俺は空いた手でペニスをゴシゴシと扱き、精液を吐き出していた。








一週間後、叔父さんが帰国した。


「お帰りなさい達彦さん!本当に久しぶりねえ」


「お久しぶりです義姉さん。元気そうで良かった」


叔父さんの家の玄関でにこやかに挨拶を交わす二人を、俺は母親の背中から見るとも無しに見ていた。


父親は長期出張でいない為、帰ったばかりで何かと忙しい叔父さんを、母さんが手伝いに来ているのだ。


俺はそんな母親の荷物持ち。


両手にぶら下げた紙袋の中には、食べ切れない程の料理がタッパーに詰められて入っている。


元々世話好きでお節介な母親は、昨日の夜から嬉々として台所に立っていたのだ。


「こんなところでは何ですし、散らかってますがどうぞ入って下さい」


そう言って通された室内は、叔父さんの一人暮らしには広すぎる程広い一戸建てで、何故こんなに広いところへ、と思わないでも無かったが、大して気になりはしなかった。


「お邪魔します…」


母親の後についてそろそろと上がれば、俺に視線を移した叔父さんがにこりと微笑む。


どきりとしながらも微かに俯いて叔父さんの脇を通り過ぎようとする俺に、叔父さんが「元気そうだね、祐樹君」と声を掛けた。


「あ……、お久しぶり、です……」


視線を合わせることが出来ないまま挨拶を返し、そのまま歩いて行こうとする俺を、叔父さんの手が優しく阻む。


びくりと固まった俺の頬をするりと指先で撫で、くすくすと笑いながら、いきなりその大きな手で俺の尻を鷲掴んだ。


「んひっ……!」


右の尻たぶをぐにぐにと揉みしだき、動けない俺を壁に押し付ける。


ハアハアと息を荒げる俺の項をベロリと舐めると、尻を揉んでいた手をスッ、と移動させ、グッと力を入れてズボンの上から穴を穿った。


「あひゃっ、うふぅ…!」


久しぶりに自分以外に触れられた身体は、もっと、もっとと続きをねだる。


が。


「さあ、お母さんが待ってるよ」


そう言って、叔父さんは俺から離れてしまう。


「え…、あ、叔父さん……?」


そんな呼び掛けにも振り返らないまま、爆発寸前まで追い詰められた俺の身体に見向きもせずに、叔父さんは母さんの待つリビングへと歩いて行ってしまった。








その後の事は、うろ覚えだ。


確か、何時もはしない手伝いをして母親に気持ち悪がられたような気がする。


上の空のまま夕食が始まり、気付けば食後のお茶を飲んでいた。


だけど、俺の頭の中は叔父さんの事でいっぱいだった。


触って欲しい。


見て欲しい。


そんな事がぐるぐると駆け巡って、だから、母さんの呼び掛けにも咄嗟に反応することが出来なかったのだ。


「もう、祐樹!聞いてるの!?」


「っ、あ、ごめんなさい…」


「ははは、祐樹君には退屈だったかな」


「そんなこと……」


ありません、とモゴモゴ言いながら、一体何の話だったのかと母親を窺う。


そんな俺の視線に気付いたのか、母さんは大きなため息を一つ吐き出すと、あまりにも意外過ぎる事を俺に告げた。


「だからね、そろそろお父さんが可哀相だから、母さん向こうに行こうと思ってるんだけど…、その間祐樹の事を達彦さんが預かって下さるって言ってくれてるのよ。祐樹も達彦さんに懐いていたし、それなら母さん心配無いし」


どう?と問い掛けられても、母さんが肯定の返事しか求めていない事は良く分かった。


どうしたら良いのか分からない。


きょときょとと目を泳がせていると、ふと、叔父さんと目と目があった。


逸らす事が出来ずに、まるで金縛りにあったように叔父さんを見詰め続ける。


そんな俺に微笑みかけながら、叔父さんはゆっくりと口を開いた。


「嫌かい?」


俺は、無意識のうちに、頭を横に振っていた。










あれよあれよという間に引越しの準備は進められ、気付けば引越し当日。


一足先に父さんの元へ行った母親を見送った俺の事を、叔父さんが迎えに来た。


「さあ、行こうか」


何時ものように柔らかく微笑む叔父さんに促され、俺は車に乗り込む。


やがて俺達を乗せた車は海沿いの道を通り、叔父さんの家に到着した。


大きな荷物は予め送ってあって、叔父さんがあらかた片付けてくれたと言う。


それにお礼を言って家の中に入ると、真っ先にリビングへ向かう途中の廊下が目に入り、先日の出来事がまざまざと思い出された。


「ぁ……」


ズクンと疼く熱がある。


きっと一人ならその場でズボンを下ろしていたけれど、叔父さんの視線を感じた俺は、一生懸命素知らぬふりでリビングへと向かった。










その夜。


妙に静かな夕食を終えると、俺は早々に与えられた自室へと逃げ込んだ。


ダメなのだ。


叔父さんと一緒に居ると、ペニスとアナルが疼いて仕方ない。


電気を点けない暗い部屋のベッドの上に寝転んで、俺は必死にその淫猥な熱を逃がそうとしていた。


「ン、ァン…」


なのに、やはり身体は正直で。


もじもじと足を擦り合わせると、股間もまた窮屈なジーンズの中で刺激され、もどかしい快楽を生む。


ついに我慢出来ずにベルトを外すと、俺はそっと手を下着の中に忍び込ませた。


「あ、ふぅ…ン…」


既にギンギンに勃起していたペニスはじわっと汁を溢れさせ、軽く扱くと手の中でびくびくと跳ねる。


奥に隠れた尻の穴が物欲しげに蠢き、ダメだと思いながらも、気付けば俺は指先でアナルを刺激していた。


すりすりと皺を撫でるようにしながら、更に奥へと埋めようとする。


と、その時。


俺の腹を、尋常じゃない痛みが襲った。


「あっ、やだ、あ……!」


この痛みは、覚えがある。


俺の予想通り、差し込むような、脂汗が滲む程の痛みは、直ぐに便意へと変わった。


まるで、下剤を飲んだ時のようだ。


さすがにこんな場所でおもらしはまずいと思い、俺はずり下がったジーンズを直すのもそこそこに、ふらふらしながらトイレを目指した。


「うっ、ふ……」


ごろごろと腹が鳴る。


ゆっくりと階段を下りて廊下を歩いていると、不意に背後から声が掛けられた。


「どうした祐樹君。

お腹が痛いのかな……?」


振り返れば、叔父さんが無表情で立って俺を見ている。


俺は今にも決壊しそうな便意を堪えて、口を開いた。


「う…ち、ン、叔父さ、俺ぇ…、うんち出ちゃう……」


そう言うと、叔父さんは俺に歩み寄り、腕を取って強引に引っ張って行った。




連れて行かれたのは、ガレージ奥の部屋だった。


前の持ち主がサーフィンをやっていたらしく、ボードやウェットスーツを洗う為なのかコンクリートが打ちっぱなしの部屋を作ったらしい。


部屋の隅には水道が取り付けられ、中央に行くにしたがい緩く傾斜がついて、ちょうど真ん中にある排水溝に水が流れやすくしてある。


その、蛍光灯の白い明かりに照らされた、寒々しい部屋に連れて来られた俺は、叔父さんに言われるがまま、ズボンと下着を下ろし、シャツ一枚の姿になっていた。


「あはっ、あ、漏れちゃ…、叔父さぁん、漏れちゃうぅ……!」


真ん中近くに置かれたビニール張りの椅子に腰掛けさせられた俺は、足を大きく開いてひじ掛けに乗せている。


まる見えになった尻の穴はひくひくと蠢き、相変わらず勃起したままのペニスは血管を浮き上がらせて汁を垂らしていた。


「ああ、可愛いね祐樹君…。でもまだだよ。もっともっと我慢して、いっぱい溜まった祐樹君のうんちを見せておくれ」


「ああっ、叔父さんっ!ダメェッ、出したいよおっ…!」


少しでも気を抜くと漏れ出してしまいそうで、それでも叔父さんにまだだと言われた俺は、脂汗を浮かべながら必死で我慢した。




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