電車でGO!

その日、出張からの帰りに乗った電車はラッキーなことにとても空いていた。





「お、ボックスシート空いてる」


電車特有の横揺れが苦手な為、進行方向と同じ向きで座れるボックスシートはとても有り難い。


俺は真っ直ぐそのシートに向かい腰を下ろすと、早速駅の売店で買った缶ビールを開けた。


「っあー…、疲れたぁ……」


新製品の研修は仕方ないとしても、三日間毎晩繰り広げられた宴会は頂けない。


酌をすれば倍になって返ってくるし、おまけに何が楽しいのか、男の俺の尻を触る輩まで出て来たのだ。


ぐにぐにと尻を揉みしだく手を思い出すだけで、寒気がした。


「んっとに、どんだけ見境無いんだっつーの…」


そう呟いて、一気に缶の中身を飲み干すと、がさがさとビニール袋の中からもう一つ、今度は缶酎ハイを取り出し開ける。


それも一気に半分くらいまで飲んでしまうと、疲れのせいか、頭がくらくらしてきた。


「……やば、寝るかも……」


既に酔いの回り始めた身体は重く、気を抜くと手にした缶を落としてしまいそうになる。


慌てて残りの酎ハイを飲み干して缶を窓際のスペースに置くと、俺は誘惑に逆らえずに目を閉じた。


睡魔は直ぐにやってくる。


微かに残った意識の端っこで誰かが隣に座った気がしたけれど、これだけ空いている車内でそれは無いだろうと思い、そのまま俺は眠りに引き込まれて行ったのだった。








どれくらい経ったのだろう、何かが俺の覚醒を促していた。


(…………ン……何か……)


気持ち良い。


うたた寝特有のふわふわとした気持ち良さでは無く、ダイレクトに下半身に来る気持ち良さだ。


「ン、あ…」


口から甘い声が漏れているような気がするが、睡魔とアルコールに侵された身体はまだ覚めるのを嫌がっている。


(ああ、ああ……、何だコレ……、ア、ア…)


「ア、ンン…」


ぴちゃぴちゃと、何かを舐めているような音まで響いている。


夢にしては、やけにリアルだな。


そんな風に考えた俺を、いやがおうでも覚醒せざるをえない程の強い快感が襲った。


「あっ、ああぁああっ!何、なっ、ひぃいいっ……!!!」


(何だコレ、何だコレ!!夢じゃないぃっ……!!!)


重い瞼を無理矢理持ち上げると、俺の身体は腰を突き出すようにしてシートをずり下がっている。


その揺れる視界に映ったのは、靴下だけを履いた俺の両足と、その間に収まって、下から太腿を抱え俺の股間に顔を埋める男の姿だった。


「やっ、やめっ、何だよっ、お前誰だよおっ……!んあぁあっ……!」


ジュルルルッと音を立ててチンコを吸われ、腰が跳ねる。


俯いたまま何の反応も見せない男の唇と舌とで痛い程刺激を受けたそこは、今にも射精してしまいそうだった。


「や、や、どけっ、離せ、よおっ…!あああんっ!」


退けと叫んで暴れても、ジュッポジュッポと扱かれ吸われ、しかも酔いの回った身体では大した抵抗も出来ない。


ぐりぐりと舌先で亀頭の割れ目を刔られて、俺はでっかい喘ぎ声を上げながらついに射精した。


「あーっ!あーっ!ヤダヤダッ、出てるっ!何でっ………!」


びくびくと腰を跳ねさせて、男の口腔にビュビュッと精液を吐き出す。


出している最中も男は刺激するのを止めず、吸い上げられるようにして出した精液を男は喉を鳴らして飲み込んだ。


「…アア、ア…、なん、なんだよ……」


ちゅぽんっと萎えたチンコから口を離し、男が俺を見上げる。


バッチリと目が合った男は、眼鏡を掛けた中肉中背のどう見ても普通の男で、とてもこんな痴漢行為を働くような人間には見えない。


「……も、退け、よ……」


射精後の脱力感と未だ抜けないアルコールにふらふらする頭を何とか支えながら、両手を脇に付いて身体を引き上げようとすると、突然男が俺の腰を捻った。


「わっ…!な、何っ……!?」


狭い座席の上でぐりんっと下半身をひっくり返され、当たり前だが上半身も持って行かれる。


不安定な体勢に慌てて背もたれに両手で掴まると、ぐっ、と腰を引かれ、男にケツを突き出すような恰好にされて、俺は余りに恥ずかしい姿勢と何も言わない男の不気味さに、再び叫んだ。


「止めっ、クソ、離せよっ!離せ、………え…………?」


が。


自由の効かない身体でじたばたと暴れる俺の視界に、とんでもないものが映る。


背もたれに上体を預けるようにして顔を上げた俺の目に入ったのは、後ろの座席に座ったまま俺を凝視する男。


それだけじゃない。


いくら空いているとはいえ、無人だった訳では無いのだ。


その車内であれだけ叫べば、目立たない訳が無い。


気付けば、俺のボックスシートの周りには、遠巻きに俺の痴態を見るぎらぎらとした目の男達が何人も押し寄せて来たのだった。




「や、やだ…、見るなよ……、見る、はんんっ!や、止め、あふぅっ……!」


男達の視線に曝されて呆然としていた俺に、痴漢男が現状を思い出させる。


男はいきなり、俺のケツの割れ目の奥に、顔を埋めたのだ。


「うふぅうっ、や、あああ……!」


丹念に皺を延ばすように舌で穴の周辺を辿られ、段々と解れた穴の中に唾液を送り込まれる。


それをまたじゅるるっと啜られれば、何故か一度射精したチンコが再び勃起し始めた。


「ふっ、ぅぅ…、やだっ、やめぇ…、ア、アアッ…!」


車内には俺の喘ぎ声と、男の立てるぴちゃぴちゃという音だけが響く。


血走った目で背もたれに掴まる俺を見ていた男達は、段々とその輪を狭めて来ていた。


「ンン、あ…、ッヒィイッ…!!やだっ、や、あああっ…!!!」


突然、何かがズプッとケツの穴の中に入って来る。


中でぐりぐりと蠢くそれはどうやら男の指のようで、その動きは俺に何とも言えない感覚を齎した。


「ううう…、っく、ぬ、抜い、てええっ!!くぅっ……」


くちくちと粘っこい音を立てながら、男は俺の穴を拡げて行く。


二本、三本と指を増やされ息絶え絶えな俺は、目をつぶり歯を食いしばり、だからだろう、段々と近付いて来ていた男達の中の一人が、手を延ばしていた事に、気付かなかったのだ。


「あひぃいっ!!!」


突然ギチィッとワイシャツの上から右の乳首を強い力で摘まれ、背もたれに手を付いたままのけ反る。


何事かと視線を向ければ、見知らぬ男が俺のすぐ脇でハアハアと荒い息を吐きながら俺の乳首を指先でぐにぐにといじくり回していた。


「アアッ、アッ、や、止めろおおっ!!や、乳首、やあぁあっ!!!」


ぐりぐり、くちくち。


乳首と穴を同時に弄られて、触られもしないチンコからはダラダラと汁が溢れている。


そんな俺の嬌態を見て興奮したのか、男達が次々とズボンから勃起した自分のチンコを取り出して、ごしごしと扱き始めた。


それは目の前のボックスシートに座る乗客も同じで。


血管の浮いた赤黒いチンコを直ぐ側で扱かれて、心なしかむあっと男臭い匂いがしてきた。


そんな光景に唖然としている間も、背後に踞った男は俺のケツの穴を指で犯していたが、何故か突然、その指を引き抜いた。


「アンッ、あ、な、にぃ…?」


プチプチと、乳首を弄っていた男がワイシャツのボタンを外して行く。


暑さから腕を捲り上げていた為直ぐにシャツは剥かれ、ついに俺は靴下とネクタイのみの姿にされてしまった。


だが、そんな事に構ってはいられなかった。


何故なら、指を抜かれた俺のケツ穴に、ぴと、と熱い塊が宛てがわれたのだ。


「ヒッ……!や、な、なんっ……」


まさかまさかまさかっ!!!


嫌な予感に振り返ろうとしても、身体が言うことを聞かない。


それに、目の前の座席に座る男が立ち上がり、自ら扱いていたチンコを近付けて来た為に意識が逸れた。


そして、まるでそれを狙っていたかのように。


ズプッ、と、指とはまるで違う体積を持ったものが、俺のケツ穴を割り開いた。


「っ……!!っあ、ああっ、あ――――!!!!」


ズプププッ、と一気に埋め込まれた塊はとても熱く、そして硬い。


その硬いものが奥まで挿入された瞬間ビタンッと会陰を何かが叩き、ケツの肉にもまた同じような衝撃があった。


と、同時に、男達の間から「おおっ!」とどよめきが上がる。


その声に高まる恐怖でカタカタ震えながら恐る恐る振り返れば、そこには俄かに信じがたい光景が広がっていた。


「あああああっ!!!止めろおおっ!!アッ、アッ、抜いてえぇえっ!!!

あ、あひっ、ひぃいっ……」


痴漢男が、俺を犯している。


勃起したチンコで、俺のケツ穴を犯している。


ケツ肉を男の下腹部が、会陰を男の玉が叩き、ズッコズッコと肉の壁を擦りながらケツ穴を男のチンコが犯している。


その余りに衝撃的な事実に俺は打ちのめされたが、俺の身体がその仕打ちに喜んでいる事もまた、事実なのだった。


「やあぁあっ!!やっ、アアァアッ…!!!あっひぃいっ………」


ジュップジュップと刔られ擦られ、それでも俺のチンコは勃起したまま萎えることは無い。


それどころか、今にも射精してしまいそうなのだ。


ガッツンガッツン背後から犯される俺の身体が揺れる度、チンコもまた左右に振れる。


それを見た男がまた一人近付いて来て、今度は汁を垂れ流す勃起したチンコをガシッと掴み、ゴシゴシと扱いて来た。


「あ――――!!!アッ、アッ、ダメェッ、ひぃいいっ……!!!」


爪が裏筋を辿り、カリの括れを引っ掻く。


それだけで一度射精した筈のチンコは限界まで追いやられ、今にも二度目の射精を遂げてしまいそうだった。


それだけは阻止したくて嫌だ嫌だと身をよじる俺の腰を掴んで、俺を犯す男が覆いかぶさるように背後から密着してくる。


裸の肩から首筋をベロベロと舐められて身体を強張らせた俺の耳元で、この日初めて、男が口を開いた。


「気持ち良いだろ」


「っ、ね…、死ねっ……!の変た、アアァアッ……!!!」


悪態を吐く俺を咎めるように、男の腰遣いが荒くなる。


ぐりんぐりんと掻き回すように中を刔られれば、俺の身体は喜び、更にたらたらと汁を垂らした。




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