「うぅ……」
足元がスカスカする。
僕がさっき漏らしたおしっこは靴まで濡らし、僕は今スリッパを履いていた。
エプロンは着けているものの、後ろから見れば僕がどんな恰好をしているのか直ぐに分かってしまう。
それでなくともさっきからお客さんが僕の胸元を見る視線が鋭いというのに、返却されたDVDを棚に戻しに行くなんて、絶対出来ない。
でも、お客さんから見当たらないDVDを探してくれと言われては、カウンターを出ない訳にはいかなくて。
なめ回すような視線を腰から下に感じながら、僕は奥のコーナーで教えられたDVDのタイトルを探していた。
「えっと……、『女装で露出PART4』ですよね……」
50音順に並ぶ陳列棚を上から見ていくと、ちょうど中段辺りにあったのを見付ける。
ホッとして手に取り、屈めていた腰を延ばそうとしたら、何か固いものが僕のお尻に当たった。
「え……?あの、ちょっ…、あっ!あひゃあぁあぁあっ!!!」
突然ヴヴヴヴヴヴとバイブ音をさせて僕のお尻で振動しているものの正体を、僕はとても良く知っている。
それは、先程僕をお漏らしするまで追い詰めた、電気マッサージ機に他ならなかった。
「ああああお客しゃまあぁあっ!!おやめ、くだひゃっ……、んはあぁあんっ!!!」
もう今日は二回も射精しているというのに、僕のペニスはあっさりと勃起する。
身体を支えきれずに棚に手をつくと、自然と腰を突き出す体勢になって、マッサージ機は後ろから僕の玉を嬲った。
「止めて?こんなエロい恰好して良く言うよっ!客に露出して興奮してんだろっ!?男のチンポ欲しいんだろっ!!」
「ちがっ、ああっ!!ちがぁ、うぅっ……!!いひゃあぁあ……」
舒にお客さんはマッサージ機を僕のペニスに当てる。
密着したお客さんの下半身は既に固く勃起していて、ぐりぐりと僕のお尻の割れ目に食い込んでいた。
まずい、このままじゃ、僕犯されちゃうっ……!
そう思っても、力の入らない身体じゃどうにもならない。
いつの間にかパンツの中に忍び込んだお客さんの手が、僕の先走りの汁に塗れたペニスをにちゃにちゃと弄り、その濡れた指先をいきなりお尻の穴に擦り付けて来た。
「やらっ…!そこらめぇっ!!」
「すげぇっ、ひくひくしてるよっ!ああ、簡単に指が入ってく!」
「んにゃああっ!ンッ、やはぁっ…」
ぐちぐちと穴を弄る指は次第に奥まで来て、微かな痛みを感じていた筈なのに、ある場所を擦られると、僕の身体は一気に熱くなっていった。
「前立腺見付けたぞっ!ほら、ほらっ、ケツマンコ気持ち良いだろっ!!」
「やらぁっ、気持ち良いようっ!いやぁあんっ!!」
嫌だ嫌だと言っても、僕の身体はとても正直で。
前立腺を指先でぐしゅぐしゅと刔られる度に、僕は一歩、また一歩と絶頂へと近付いて行った。
が。
「うっわあぁあっ!!!」
スッ、と僕に背後からのしかかっていたお客さんの熱が消えたかと思うと、何かが床に倒れる音と、お客さんの悲鳴が聞こえた。
え、と思って振り返ると、仰向けに転がったお客さんと、その傍らに立つ、もう一人…。
「あ…」
「まぁた随分可愛い恰好してんなあ。
おい、早く出てけよ」
そう言ってお客さんに凄むのは、先程店長と共にマッサージ機を僕でお試しした、あのお客さんだったのだ。
「あ、あの…、お客様……」
ワタワタと今まで僕を嬲っていたお客さんがいなくなってしまうと、今度は僕を助けて…、うん、助けてくれたお客さんが近付いて来て……、
「ぅわっ、やっ、何す……、アッハアァアンッ!」
立ち尽くす僕を引っ張り強引に棚に手を付かせ、慌てる僕の、長いワイシャツの裾を捲り上げ、お尻の穴にごつごつとした指をいきなり突っ込んだ。
「やぁんっ!やらようっ!!掻き交ぜないでぇえっ……!!!」
「すげぇ吸い付き…。もう大丈夫だろ」
「ぁんっ……」
急に指を抜かれて、お尻の穴がひくひくと蠢くのが良く分かる。
まるで物足りないとでも言いたいみたいだ、と恥ずかしさで俯いてしまった。
と、いきなりお客さんに腰を掴まれて、そんな僕のひくつく穴に、何かとても、熱い塊が宛てがわれた。
「え、あ…、何………、やっ、何ィッ!?」
え、と思う間もなく、その塊がズブズブと肉を掻き分けて侵入してくる。
二、三度入り口付近を確かめるように軽く出入りした後、ズパンッと奥まで突き入れられてしまった。
「あっきゃあぁああっ!!!やはっ…、はぁああ………!」
「っあー、良いねー、締まる締まる」
一体何が起きているのか。
恐る恐る背後を振り返ってみれば、お客さんの下半身が、僕のお尻に密着している。
まさか!まさか!まさか!
信じられない事態に呆然とする僕をよそに、お客さんはがっちりと僕の腰を掴み直すと、ズコズコと下半身を打ち付け始めた。
「いやっ!いやっ!やめひぇえっ……!」
「何、もしかして処女?の割には反応良いよな…。チンポびんびんじゃん」
そんなことを言いながらも、お客さんの腰遣いは止まらない。
打ち付ける度にお客さんの玉がビタンビタンと僕の会陰を叩き、それが堪らない快感を齎した。
「あひぃっ、ンッ…!こんな、こんな……、アアッ…!僕、犯されてる…、犯されてるようっ……!やらぁっ、気持ち良いっ……!」
「ははっ!犯されて気持ち良いって?んじゃあさ、イケよっ、ほらっ!ケツマンコ犯されてイッちまえっ!!」
ズチュッ!グポッ!ズチュッ!グポッ!
そんな激しい突き上げに、先程から嬲られ続けた僕の身体が堪えられる訳がなく。
「あ―――!!!イクッ!イクッ!ケツマンコ犯されてイッちゃうっ!せーえき出るぅうっ……!!!」
そう叫びながら、僕はとうとうお尻にお客さんのペニスを咥え込んで、白いお汁をびゅーびゅーと放出してしまった。
「っ、俺も、出るっ……!」
びくびくと身体を跳ねさせる僕のお尻の中に、お客さんも射精する。
「ひあっ、あふぅ……、出てるぅ…!お尻の中、熱いのいっぱい出てるよぉ……!」
奥の奥までお客さんの精液で犯されながら、僕は射精後の余韻に浸り、そのままふっつりと失神してしまったのだった。
その後、精液塗れで気を失っていた僕を起こしてくれた何故か満面の笑みの店長に送られて家に帰り、次の日。
昨日の事を謝らなくては、と俯き加減で出勤した僕を待っていたのはニコニコ顔の店長で。
「悠君おはよう!はい、これ君の制服」
そう言って手渡されたのは、僕にはサイズの大きすぎワイシャツと、女性用の際どい下着。
それを受け取った僕もまた笑顔で。
「着替えて来ますね」
僕はきっと、暫くこのバイトを辞めないだろう。
だって、こんな気持ち良いこと、僕は他に知らないから。
END