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教育現場レポート
暗黒教室

須賀康

「私は席が後ろだったからよく憶えています。田中先生が胸ぐらを掴んで押し倒して、叩いていました。永井君がランドセルを持って出て行った後、何人かの生徒が、追いかけなくていいんですかって聞いたら、ものすごい怖い顔をして『いいちゃ』と言いました」

沈黙する大人たちの姿を目にしながらも、子どもたちは真実を素直に話してくれるのだった。和子らは新たな事実を聞いたことに驚き、大学ノートを渡して同級生たちに当日の出来事や匠の様子などを書いてほしいと頼んだ。約2週間後、和子は自宅のポストにその大学ノートが入っているのを見つけた。
1頁目には当時の5年3組の教室の見取り図と席順、名前が書かれていた。さらに2頁目には「2006年3月16日のことについて、自分が見たこと、聞いたことなどをこのノートに書いてください。*同じ内容の文でもよいです。自分の名前と書いた日付けを必ず書いて下さい。ご協力おねがいします」とあり、かつてのクラスメート16人がそれに応えてくれていた。

この大学ノートは裁判で重要な証拠になった。教室内の見取り図、席順と名前が書かれているため、匠と田中教諭のやりとりを、誰がどこで見ていたかがはっきりわかる。子どもたちの証言内容の信憑性が、この見取り図と席順で客観的に判断できるのだ。
証人尋問が始まる第8回の審理までに和子らが集め、裁判所に証拠採用されたのは、美樹を含む同級生6名、美樹の母・陽子の陳述書と、大学ノートに書かれた16名(実名11名)の証言。これであの日、教室で何が起きたのか証明できるはずだ。かつての同級生たちに、和子は頭が下がる思いだった。

つづく

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COURRiER Japon
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    須賀康須賀康
    (すが・やすし)
    1950年生まれ。政治・経済、医療分野などで幅広く「人と組織」の問題をテーマに取材活動を続ける。この10年間は特に少年犯罪、学校でのいじめによる自殺について、週刊誌・月刊誌などで多くの原稿を発表している。

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