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教育現場レポート
暗黒教室

須賀康

美樹が書いてくれたノートを持って彼女の家を訪ねた和子は、母親に自分たちが置かれている状況を正確に説明した。美樹の母親・陽子(仮名)は、娘が実名で陳述書を提出することに同意しただけでなく、自らもあの日、娘が学校から帰ってきて匠の話をしたのを聞いていると語った。結局、親子で陳述書を書いてくれることになった。

八尋と同じ代理人で、この席にいた弁護士の迫田学は、「やっと見つけた」と思った。美樹親子の陳述書を裁判所に提出すれば、裁判官は親子そろっての証人尋問を求めてくる可能性がある。美樹の質問に対するよどみない話し方や、物怖じしない態度は、法廷での尋問にも充分耐えられる。4月に中学1年生になったばかりの12歳の少女、この少女には裁判官を納得させる力がある—。
迫田が、裁判所から証人として出廷を要請されることもあると話すと、母親の陽子は躊躇うことなく即答した。
「わかりました。裁判所からそうした要請があれば、娘とともに証言します。自分が聞いたことですから憶えている限りは答えます。娘も気持ちは同じだと思います」
隣で美樹が大きく頷いた。

届けられた大学ノート

08年3月16日、匠の同級生だった6名の女子生徒が三回忌に焼香に来てくれた。裁判開始から1年が経過したが、これまでは書類のやりとりが中心で、まだ証人を呼んでの審理は行われていない。和子の陳述書集めは続いていた。
「当日の様子を教えて」
子どもたちが焼香を終えた後、和子は語りかけた。すると6人の女の子たちは、目に涙を浮かべながらその日のことを口々に話し始めた。

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COURRiER Japon
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    須賀康須賀康
    (すが・やすし)
    1950年生まれ。政治・経済、医療分野などで幅広く「人と組織」の問題をテーマに取材活動を続ける。この10年間は特に少年犯罪、学校でのいじめによる自殺について、週刊誌・月刊誌などで多くの原稿を発表している。

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