ノリではじめてみたブラック会社シリーズだが、意外にも応援が多いので、
最後まで書ききってみようと思う。みんなありがとうな。
まぁこっから本当にブラックになっていくんだけどな。
お局K子の話を続けるには、社長の話をしなければならない。
次は、
社長とお局編だ。
この会社のブラック臭を漂わせている一番の原因は、社長だった。
社長はどっからどうみてもヤクザにしか見えない。
僕はあんまりこの手の人種が好きじゃないので、もともとあまり興味がなかった。
僕は社内SEだし、ほとんど経営の事には口を出さないポジションだ。ペーペーだしな。
しかし、社内のシステムが少しずつではあるが改善されてくると、社長のPCも何とかしないといけない
局面に多々遭遇する。
自分でほとんど設定のできない社長のPCをちょこちょこと直したりしていた。
社内SEとは名ばかりで、ぶっちゃけビジネスフォンの整備やOA機器のメンテもする。
ちょうどビジネスフォンを入れ替えた頃の話だ。
僕はちょくちょく移動しているし、自席にいることは稀なのでPHS型の内線電話を持っていた。
社長もまた然り。
PHS型のビジネスフォンを持っている人はわかるだろうが、少々内線の転送に手間どる事がある。
社長が上手く内線を取り次げない時、よしだがPHSを持って社長の部屋に頻繁に出入りするようになった。
言っておくが、社長はよしだの事には興味が無かったし、よしだも同じだ。
しかし、そう思わない奴がいた。
K子だ。
K子は、社長と接点が増えたよしだに明らかに敵意を覚え始めていた。
今思えば、彼女の本命は社長だったに違いない。社内で男にモテル事を言いふらしたりもしていたが、
それは、社長へのメッセージだったのではないかと思う。
そんな事は露知らず、社長と仲良くなっていくよしだ。
バレンタインデーには小遣い節約のため、無印良品の手作りキットで作ったカップケーキを2個くれてやった。
お返しは、何と有名ブランドのネックストラップだった。
原価100円程度が、2万円に化けたのだ。
いやー儲け儲け~♪
なんて思っていたのもつかの間、静かによしだの
死亡フラグが確定。
年末のある日、よしだは高熱を出し会社を休んだ。
疲れが出たのだろう。社内のシステムは安定稼動していたし、お休みをいただくことにした。
ベットの中で夕方になり、ああ、あの会社。とりあえず何とかやっていけるのかなってぼんやり思ってみたりもしていた。
正直、スタッフはクソ野郎ばっかりだ。
悪口は絶えず聞こえてくるし、残業を強制されもする。社内SEなのに、何故かオンラインゲームの鯖を構築しに行ったりもしていた。だが、仕事の内容自体は楽しかったのだ。
初日からヨドバシでクソ重たいモニタを初日から運ばされたのも良い思い出だ。
夕方も深く夜になるころ、携帯電話が鳴った。
見ると、部長からだ。
何かトラブルか!
よ「もしもし。何かありましたか?」
ぶ「いやぁ、K子さんがよしださんを呼べって。」
よ「はあ。何でしょう」
ぶ「
Outlookが立ち上がんないんだって。」
クソがあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
Outlookが立ち上がらないだと!就業1時間前に言うことじゃねえええええええええええええええ
よ「は、はぁ…明日じゃダメでしょうか。本当に具合が悪くて。。。」
ぶ「それがさぁ、今日中じゃなきゃ嫌だって言うんだよ。頼むよ。」
仕方ない出かけるしか。
ちょっと立ち上がれば幽体離脱しそうになる魂を無理矢理体に押し込み、(゚」゚)ノ タクシーに乗って会社へ向かった。
会社に着くと、部長しかいなかった。なんせ年の瀬だ。皆早々に引き上げている。
あれなんだけど。。。という先にはK子のパソコンが置いてあった。
K子さんは。。。?
ぶ「仕事になんないから帰るって。」
今日来なくても良いじゃないか。。。
仕方ない。K子には誰も逆らえないのだ。
わかりました。直しておきます。
すぐに原因はわかった。メールの貯めすぎだった。
一度バックアップを取り、受信ボックスを空にする作業。
しかしメールの容量が半端ない。よくこんなマシンで仕事ができたもんだ。バックアップが動いているのかどうかもわからない位のスペックだ。
画面をうとうとと眺めながら、作業が完了する間際。午前3時。
どっから現れたのか、プログラミングができないプログラマの小川さんが現れた。
この頃には、小川さんとはそれなり仲良くなっていた。彼は人の悪口を延々と喋るので、気分が悪いといえばそうなのだが、聞いてやっていれば問題がない。
小川「よしださんさぁ。社長の事どう思う?」
よ「あーまー。ちょっと色黒かなーと思うくらいですね」
小川「そうじゃなくってさ。ほら、こう男としてどう?」
深夜三時にどこからともなく現れて、社長を男としてどう思うかなんて聞いてくる奴。
お前の事をどうかと思う。
よ「うーん。まぁ特に特別な感情で見たことはないですよ」
小川「そうなんだー良かったー。」
何が良いものか。お前が怪しすぎる。
小川は続けた。
社長ってさ。実は、婦女暴行で捕まったことがあるんだよね。
まぁあの風貌であの酒癖なら、ひっぱたいたくらいあるかもねー。、
小川「いやいや!違うよ。
れ、い、ぷ!わかる?
レイプだよ!」
午前様にさしかかり、熱で朦朧としてるよしだには、コイツが何故現れて、こんな事を言うのかさっぱりだった。
よ「見かけで言っちゃダメですよ。そういう事」
むしろ、熱で朦朧として幽体離脱しそうな僕をレイプしようって言う方がまだ真実味がある。
だがしかし、自分の勤める会社の社長に、犯罪歴があるというのはいただけない。
まぁきちんと刑期を終えたのだろうから、と、いえ。レイプ?れいーぷ?くれーぷ?
さすがに動揺を隠し切れなくなっていた。
社長が過去、レイプ犯だったこと。本当に借金まみれで金を返さずブラックである事。
小川は次々に社長の黒歴史を語りだした。
まだ会社に入って一年足らずのペーペー。そして、楽しそうにそれを語る小川にかなり引いた。
小川「今度元気のあるときに、ネットで調べてみなよ。いっぱい出てくるからさ」
そう言って満足げに小川は帰っていった。
時計は午前6時を指していた。