国土交通省によると、パンタグラフのボルトの付け忘れによる事故は、在来線では過去に数例あるが、新幹線では極めて異例。担当者は「鉄道は、新幹線も在来線も車両ごとに部品が違う。点検項目を法令で定めるのは難しく、事業者に任さざるを得ない」と話す。同省は徹底した再発防止策の提出を同社に求めている。
JR他社のある幹部は「極めて初歩的なミス。東海は海外展開やリニアに熱心で、足元がおろそかになっているのではないか」と指摘する。東海道新幹線では事故2日後の早朝にも変電所の作業員が配線を誤り、上下14本が遅れるトラブルがあった。JR東海の長田豊・新幹線鉄道事業本部副本部長は会見で「部品の数量管理や作業記録を改善し、再発防止に努める」と述べ、態勢面の見直しを始めたことを明らかにした。(小林誠一)