民主党が次期参院選比例代表で自衛隊関係者を擁立する動きを強めている。全国で20万票以上とみられる自衛隊票はこれまで自民党の大票田だった。自民党は09年11月、航空自衛隊OBの宇都隆史氏を公認しており、民主党が候補者擁立に踏み切れば自衛隊票は分断される。業界団体の「自民離れ」に拍車がかかる可能性もある。
民主党は昨年8月の衆院選後、出馬に意欲を持つ自衛官OBに党幹部が接触。出馬の可能性を探るなど候補者選定を始めている。民主党幹部は8日、「自衛隊と民主党の目指す方向性をよく見極めたうえで擁立したい」と語った。
一方の自民党は、民主党の動きに神経をとがらせている。07年参院選比例代表で25万票を獲得して初当選した自衛隊出身の佐藤正久・党国防部会長は「民主党も必ず候補者を出してくるだろう」と警戒する。8日に東京都内で開かれた宇都氏のパーティーには谷垣禎一総裁や大島理森幹事長らも出席。宇都氏は「自民党から出たかった」と支持を訴えた。【仙石恭】
毎日新聞 2010年2月8日 20時18分