設計するということ
よくキットの構成が考えれますねとお客様に言われる事が有ります。
設計に入る前に資料写真、図面を見て頭の中で立体をイメージし展開図を作り、それを頭の中で組み立てます。
そうすると問題点が見えてきますので修正を加え再度組み立てます。
よくそんな事が出来ますねと言われますが画家、書家が書く時白紙にイメージが浮かぶと聞いた事が有ります。
算盤の暗算も出来ない人から見れば魔化不思議に見えます、たぶんそれと似ているのかも知れません。
DD14のロータリー部などは展開を数パターン用意しました。
頭の中のイメージで70〜80%の完成度の確信がないとパターンの設計に入れません。そして残り20〜30%を試作中に解決しなければいけないのです。
ガレージメーカーでよく実績も無いのにそれは無理だろうという機種を発表している所があります、結果的に作れない場合がほとんどでした。
事前に自分の所の技術力、外注先の能力、資料の有る無し、などの見込みがほとんど出来ていません。
巧く行く事しか考えていないし経験が無いので少しトラブルが起きると解決出来なくなり頓挫してしまうのです。
側板キットは部品のパターンを並べているだけでそこに設計作業と言う物はほとんど入っていません、ただ部品の版下パターンを書いているにすぎません。
キットは何も考えていない部品の集合体でよいのでしょうか?
よくたとえで言っている事ですが6面体のサイコロキャラメルの箱を展開して組み立てて見れば解ると思います、だれでも組み立てられるでしょう。
6面が繋がっていなくてバラバラだったら組み立て出来ますか?
セロテープで結果的につなぎながらでないと組めませんね。
側板キットはバラバラ6面体なんですよ。しかも車体裾も曲げられていません。
キットの構成が簡単なだけで組み立ては神業を要求されるのです。
ただ、なんでも繋げて設計すれば良いと言うものでもありません、組み立て易くするために、組み立て精度を上げるためにやりますが、デイテール、実感が犠牲になる場合は別パーツにしたりします。
デイテール、実感を無視して何でも繋いでいるとパタパタキットと言われバカにされてしまってしまいます。
自分が作るだけなら完成度の低いものでも良いでしょう、しかし、代価をいただいて販売するものですからある程度お客様の平均レベルを設定しそれに合わせ設計する事も必要です。
こちらで設定した平均レベル以上の方からは物足りないと言われ、平均レベル以下の人からは難しいと言われるのです、メーカーは、難しいモンです。
ウイッキペディアには価格が高めと書かれていますが模型工作をしたことのない物書きのプロになれなかった
人には価格ぐらいしか見えないのでしょう。
屋根のない電車、客車なんかと価格を比較されても困ってしまいます。
試作を十分に繰り返し部品の合いを修正し、デイテールを含め設計に時間をかけているので価格での比較はムダです。
同じ形式で同じ真鍮製のED30を比べてもらえば一目瞭然、弊社のものは13年も前の製品です。