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【芸能・社会】作家の立松和平さん死去 小説「遠雷」、環境保護活動も2010年2月9日 16時29分
小説「遠雷」などで知られ、環境保護活動やテレビ番組での実直な語り口でも親しまれた作家の立松和平、本名横松和夫)さんが8日午後、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。62歳。宇都宮市出身。葬儀は近親者のみで済ませ、後日、しのぶ会を開く。喪主は未定。 早大在学中から小説を評価され、卒業後は宇都宮市役所勤務などを経て文筆業に専念。1980年、都市化する農村の若者を描いた「遠雷」で野間文芸新人賞を受け、脚光を浴びた。後年は仏教への関心を深め、「道元禅師」で泉鏡花文学賞と親鸞賞を受賞した。 小説のほかにも世界各地を旅行して著作を発表。テレビ番組のリポーターを務めたり、環境問題に積極的に発言したりするなど行動派の作家として多くの分野で活躍した。 93年には雑誌連載中の小説「光の雨」の一部が、元連合赤軍幹部の坂口弘死刑囚の著書と酷似していると指摘され、「安易な形で引用してしまった」と謝罪。後に全面的に改稿して発表し、映画化もされた。 ほかの作品に「卵洗い」「毒―風聞・田中正造」、歌舞伎脚本「道元の月」など。 (共同)
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