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興毅も泣いた「大毅、よぉやったぁ〜」

 次男・大毅(右)の王座奪取に号泣する亀田興毅(左)=神戸ワールド記念ホール
 次男・大毅(右)の王座奪取に号泣する亀田興毅(左)=神戸ワールド記念ホール

 「WBA世界フライ級タイトルマッチ」(7日、神戸ワールド記念ホール)

 兄・興毅は、あふれ出る涙で顔をぬらした。「大毅、よぉやったぁ〜」。リング上で絶叫した。「ホンマによぉやってくれた。ホンマに、ホンマによぉやってくれた」。肩を振るわせて号泣した。弟の快挙を、自分のことのように喜んだ。

 いつまでも涙が止まらない。「言葉が出ませんね…」。顔をくしゃくしゃにして、泣きながら笑った。「大毅は(兄と弟の)間に挟まれて、いつも苦しい思いをしてきた。すごい努力をしてきた。ホンマにうれしいの一言」。隣に立つ弟を、優しく見やった。

 “二人三脚”で迎えた大一番だ。セコンドライセンス無期限停止処分中の父・史郎氏に代わり、自分の練習時間を犠牲にしてまで、ずっと大毅の練習を見守った。敗れた昨年10月の試合を、大毅と一緒に何度もビデオでチェックした。「左ジャブでポイントを取れ」。弟に足りないものを先輩王者の目で見抜き、的確なアドバイスを送った。

 父・史郎氏が一足早く5日に神戸入りしたため、厳しい減量に苦しむ大毅を、最後まで一番近くで見守ったのも興毅だ。この日はセコンドについて声を張り上げた。手を大きく振って観客をあおった。弟の勝利だけを信じ、献身的なサポートに徹してきた。だからこそ、弟の勝利がうれしくてたまらなかった。

 次は自分の番だ。3月末にWBC世界フライ級暫定王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)との王座統一戦を予定している。「オレはまだまだ強くなる。大毅もチャンピオンになったけど、追い付かれへんぐらい突き放す」。兄は弟の目標となるべく、さらに先へと歩みを進める。

(2010年2月7日)
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