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大毅王座返上へ…近日中に家族会議

 チャンピオンベルトを肩にかけ記念撮影に応じる亀田兄弟(左から興毅、大毅)=SPORTS Cafe BAR RINSO
 チャンピオンベルトを肩にかけ記念撮影に応じる亀田兄弟(左から興毅、大毅)=SPORTS Cafe BAR RINSO

 ボクシングのWBA世界フライ級王者・亀田大毅(21)=亀田=が、王座を返上する可能性が出てきた。王座奪取から一夜明けた8日、神戸市内で前日の試合後に体調不良で倒れたことを明かした。厳しい減量の影響によるもので、今後、フライ級にとどまって王座を防衛していくのは難しい状態。近日中に家族会議を開き、返上か防衛かの答えを出す方針。返上ならSフライ級で2階級制覇を狙うことになり、WBA同級王者・名城信男(28)=六島=と対戦する可能性も出てくる。

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 日本ボクシング界初の兄弟世界王者誕生から一夜明け、大毅が衝撃的な“事実”を告白した。試合直後に全身が震えだし、39度近くの熱が出た。震えは止まることなく、血尿まで出たという。予定していた祝勝会には出席せず、試合会場からホテルに直行。半ば意識を失った状態だった。

 激しい減量の影響だ。今回、初めて7キロもの減量をして臨んだ。異変は試合中に起こり、2回には腹痛を訴えた。気力で12回を乗り越えたが、試合後のインタビューからの記憶がなく、記憶も途切れ途切れだという。一時は病院に行くことも考えたが、体調は快方に向かい大事には至らなかった。

 大毅は「昨日は寒くないのに、ずっと体が震えていた。熱も出たし…。とりあえず、今は大丈夫ですけど」と気丈に振る舞った。会見に同席した兄・興毅は「心配やったわ。3兄弟が試合をして、今まであんなことはないからね。倒れたのは初めてやから」と、前夜の異変を振り返った。

 当初、今年いっぱいはフライ級にとどまる方針だったが、昨夜の状況を踏まえ、王座を返上して階級を上げる可能性が出てきた。返上した場合、WBAフライ級暫定王者のルイス・コンセプション(パナマ)が正規王者に昇格する。初防衛戦に予定している坂田健史(協栄)との対戦は消滅し、坂田の標的はコンセプションになる。

 「今は次のことを考える余裕はない」。大毅は明言を避けたが、近日中にも家族会議を開き、今後の方針を決める。王座を返上し、2階級制覇を狙うならば、ターゲットはWBA世界Sフライ級王者・名城信男(六島)が有力だ。王座獲得から事態は急展開を迎えたが、大毅は「しばらくゆっくり休みたい。何も考えたくない」と本音を口にした。

(2010年2月8日)
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