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吉田秀彦4・25引退戦に…朝青龍が浮上

09年3月、春場所で激励に訪れた吉田(右)と笑顔で握手する朝青龍
09年3月、春場所で激励に訪れた吉田(右)と笑顔で握手する朝青龍

 プロ柔道家・吉田秀彦(40=吉田道場)の引退試合の対戦相手として元横綱朝青龍関(29=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ)が浮上した。吉田は8日、都内ホテルで記者会見し、4月25日に日本武道館で行われる「吉田秀彦引退興行~ASTRA」をもって現役引退することを正式発表した。未定とされる対戦相手について、同興行を主催するJ-ROCK國保尊弘社長は「いろいろな可能性、すべてにアタックしたい」と元朝青龍関の身辺調査に入ることを表明。実現すれば、国民的注目度の高いビッグマッチとなりそうだ。

 日本の格闘技界をけん引してきたプロ柔道王のラストマッチを飾るには、最高の対戦相手に違いない。都内のホテルで記者会見した吉田が4・25日本武道館での現役引退を表明した。約8年間の吉田の格闘技人生を支えた興行主催者のJ-ROCK國保社長は現時点で未定となる対戦相手について言及。大相撲を引退した元朝青龍関に興味を示し「いろいろな可能性すべてにアタックしたいと思います」と身辺調査から開始することを明言した。

 元朝青龍関との関係は深い。昨年まで吉田が主戦場としていた戦極の09年1月4日大会に元朝青龍関が来場し、リングサイドで観戦した。また昨年大みそかのDynamite!!での石井慧戦勝利後、吉田は元朝青龍関から「おめでとうございます」との祝福電話をもらったという。吉田自身は「(元朝青龍関と)ボクの引退とは別の形。ああいう形ではなく、自分の力を出し切って辞めてほしかった。時間があれば興行に来てほしい」と呼びかけるにとどまったが、國保社長は「今の諸問題をクリアし、本人が本気で(格闘技を)やるというのであれば面白いですね」と付け加えた。

 元朝青龍関の第2の人生として格闘技転向のうわさは絶えない。K-1、DREAMを主催するFEGの谷川イベントプロデューサー、元朝青龍関と親交があるSRC(戦極)のアドバイザー、日本レスリング協会の福田富昭会長も動向に熱視線を送る発言をしている。現時点で元朝青龍関は格闘技転向に興味を示していないが、戦極をはじめ、レスリング全日本選手権やプロボクシング亀田興毅の試合にも来場するなど格闘界とのつながりは強い。

 國保社長は昨年11月まで戦極を主催するワールドビクトリーロード(WVR)取締役を務め、元朝青龍関が行ったわんぱく相撲に戦極グッズ売店を出す仕事に携わるなど、吉田と同様に交流が深い。また元朝青龍関本人だけでなく、個人マネジャーを務めた一宮章広氏とも親しく、交渉ルートもある。同社長は「(マッチメークは)初歩の段階。吉田の最後の試合として意味のある対戦相手にしたい」と口調を強めた。

 元朝青龍関は秋場所後にも国技館で引退相撲を予定している。その間に、マゲをつけたまま格闘技の試合に出場することは、相撲界の常識では考えにくい。マッチメークのハードルは決して低くなく、高いものだ。しかし実現すれば、元横綱VS元柔道五輪金メダリストの激突は、国民的注目度の高い一戦になることだけは間違いない。

 [2010年2月9日8時55分 紙面から]


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