『大YAMATO零号』 緊急視聴座談会

この作品は大人世代に響く!ということで、松本零士さんが子どものころから大好き!という大人世代の方々に集まっていただき、緊急視聴座談会を開きました!


加藤 健(加)

パンクバンドREBEL BLUE(レベルブルー)ボーカル、ミュージシャン。自身のバンドでも地球を守る戦隊キャラが活躍する。松本零士を大尊敬し、小学校の頃に松本氏の自宅を探して旅をした経緯あり

ファニー谷口(ファニ)
加藤 健(加藤)

ファニー谷口(フ)

フリーライター。桑沢デザイン研究所卒業。12年近くTVデザインの仕事に従事。その他、企画、絵コンテ、脚本、ライターなど多方面にわたり活動。「戦場まんがシリーズ」や「男おいどん」の頃から松本漫画を愛読。

関根 淳(関)

家具職人。松本作品に出会ったのは小学生のとき。朝日中学生新聞に連載されていた『親不知讃歌』。見たことの無いタッチに衝撃を覚える。いちばん多く読み返した作品は『男おいどん』

おおき あや(あや)
関根 淳(関根)

おおき あや(あ)

「aya♪」の名前で作詞家として活動する兼業主婦。「きぼう」と一緒に宇宙に飛んだ歌の歌詞の一部を担当。森雪のウェディングドレス姿が見たくて女子3人で映画館に向かった。中学生の娘は漫画家を目指している


フ:

この作品を見て僕が一番思ったのは、やっぱり「エコ」に訴える部分が大きいな、って感じたところですね


あ:

「青の地球」の最後のシーンがあるでしょう?あれが将来の地球の姿かも…って重ね合わせて観ちゃった


関:

子どもがいると、先のことって自分の範囲を超えて気になりますよね。この話って未来であるわけだけど、もちろんその未来って確実にやってくるものだからね


フ:

エコに関しても、そういう今風の解釈がふんだんに盛り込まれているよね。僕はじつはVol.1だけ随分前に見ていたんだけど、今回初めて全部見て、改めてそのことを感じました


加:

地球が地上を全て自然のものにして、自分たちが地下に暮している設定というのは共感できました



関:

大昔はそうだったんだもんねえ


あ:

子どもたちが段々大きくなるに連れて、テレビを見ていてもCMとかでエコとか環境のこと言ってるでしょう?「何?」と聞かれてもうまく答えられないんですよね。原因は人間なんだよ、ってことなんですけど。うまく表現できない


加:

だからあの「青の地球」のような存在がバン!と出てきて、「こうなりますよ」っていうのはすごいメッセージだと思う


フ:

ですね。滅んじゃうときに青くない、って言うのがまたね。草一本生えてない、海の水すらないって。地球が青いのって当たり前だと思ってるけど、旧作でガミラスに遊星爆弾でやられた時もそうだったけどあれは結構衝撃的だった


関:

今のままだとああなる、っていう静かで強烈なメッセージですよね。やっぱりこういう時代になって、自分自身も成長しているから余計にインパクトがあるんだろうな




フ:

「青の地球」の艦隊「まほろば」はいいよね


関:

なんかほっとする存在だったよね。僕は以前のヤマトの姿かたちがすごい好きだったから、なんか救われた気がした


あ:

そういえば「大YAMATO零号」って、乗組員たちには結構不評でしたよね


フ:

「だせぇ羽!」とかいうセリフがあったね、そういえば


関:

うん、でも、今回艦隊そのものの大きさはかなり表現されていたとも思うし、零号も船首のディティールがカッコいいと思いましたね。主砲の部分が桜のモチーフだったり


あ:

さすがデザイナーさん。細かいとこ見てますね。私はメカは殆ど気になりませんでしたけど、出てくるキャラクターにはかなり興味をもってかれました


加:

なんか、昔はホットで激しい感じで描かれていたけど、この作品は全体的に静かでクールですよね。でもそういうところが、リアリティがある


フ:

リアリティといえば、旧作の乗組員は全員日本人だったけど、今回は多国籍軍というか宇宙レベルというか、人種差別がない感じしたよね



あ:

異星人をイジメるシーンには、学校であるイジメ問題を髣髴させられましたね


関:

オズマ艦長の回想シーンのとこね?親としてあれはなんともいえない感じだった


あ:

私も。ところで今回の乗組員、女性が多くなってません?


フ:

前もほんとは沢山いたんですよね。あまり表に出てこなかったけど。今回、女性陣は松本先生の作品らしさがどのキャラにも濃厚に表れてたよね


関:

そうそう!すごいホッとした。他の乗組員には、なんとなく松本零士さんぽくないタッチとか、今どきのゲームにマッチしそうなキャラが目立つような気がしたけど、女子はすごくよかった!


フ:

僕らのような、松本零士さん世代にはほんとに嬉しいことだよね


加:

今回は、前のようにハッキリとした主人公っていうのがいなくて、全員が主人公な感じもしましたよね?



関:

皆が主人公であり、メカが主人公なんだな、って思ってみたりしてました。僕の場合は以前のキャラのイメージが強すぎて、キャラよりもメカに目がいっちゃったんだけど(苦笑)


あ:

私はホンゴウ・ユキが気になったなぁ~。あのペンダントの中身は一体なんなんだろう~?とか。着眼点が身近な感じがするから、感情移入しやすいんですよね。昔からあの位置にいる女性に惹かれるというか、憧れがあるせいかもしれないですけど


フ:

僕はビャクセツがひっかかるというか、謎というか、もっと知りたい!って思いましたね。でもここに出てくる人たち、皆謎だらけなんだよね、いろんな意味で。まあ『銀河鉄道999』のメーテルとかも謎だらけだけど。謎が多いのが松本作品の特徴でもあるんですよね


加:

自分が一番思ったのは、ヒーローがいない、ってところですね。謎に包まれているから本当のところはわからないけど、明らかになにか問題を抱えてそうな描かれ方をしていましたよね



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