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【格闘技】一夜明けの大毅 抜け殻に 「先のことは一切考えたくない」2010年2月9日 紙面から 日本初の兄弟世界王者となったWBA世界フライ級王者で亀田3兄弟の次男大毅(21)=亀田=が8日、神戸市内で記者会見し、「大仕事をやった。先のことは一切考えたくない」と防衛戦について言葉を濁した。大毅は最大の目標である世界王座を獲得し、放心状態。試合後に減量苦、重圧が重なり、体調を崩していたことを明かした。WBAから元王者坂田健史(30)=協栄=との対戦を義務付けられているが、亀田陣営は初防衛戦を行わず、王座を返上する可能性を否定しなかった。 燃え尽きた…。漫画「あしたのジョー」のごとく“白い灰”になった。会見に現れた大毅は、人生最大の目標を達成し、抜け殻状態だった。 「実感ないです。21年間、頑張ったと思う。オレ本当にお兄ちゃんみたいに王者なれんのかな、と思ってきた。うれしいを通り越しているし、ホンマになれたのかな?」 前夜は体調を崩し、祝勝会を欠席。ホテルで静養した。寒けと震えが止まらず、体温は39度まで上がった。減量の影響で、神戸へ移動した計量日の記憶があまりないことを明かした。今後の焦点は、WBAから義務付けられている坂田との防衛戦に移る。だが、大毅は歯切れが悪い。 「ボクね、今、先のこと考えたくないんですよ。申し訳ないけど答えられない。疲れましたね」 減量苦、試合での疲労、そして燃え尽き症候群。今は大好きなパチンコでさえ行きたくないという。大毅はこれから何をモチベーションに戦っていくのか−。このままなら、ベルト返上の可能性もある。五十嵐会長も「選択肢はいくつかあると思います。特に今回は減量が厳しかったですし」と即返上を否定しなかった。 本来、陣営としては、防衛戦を重ねて興行収入、放映権料でひと稼ぎ、といきたいところだが…。大毅は「大きな仕事したなって感じ。ゆっくり休みたい。またね」と暗い表情で静かに去っていった。 (森合正範)
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