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<<   作成日時 : 2010/02/08 22:09  

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ザイ・オンラインに連載されている藤井英敏氏のコラムは、毎回かなり参考になる内容です。よく調査されていて、かつ見解も妥当であり、的中率はかなり高い印象です。RSSリーダーに登録しておく価値が十分にあります。

藤井氏は、対ユーロ円高、裁定解消売りの加速、信用買いの解消売りなどで、「早ければ今週、遅くとも、3月のSQまでに、セリングクライマックスがやってくる公算が大きい」とみています。昨日も述べましたが、もう少しの間、チャートの動きを眺めていてから出動しても遅くはないものと当室も思います。チャートの波形がまだ落ち着いていません。

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             (日経平均チャート6ヶ月:ヤフーファイナンスより引用)

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◆「初中級投資家の皆さん、バーゲンセールを待ちましょう!!」 (2010年2月8日(月)ザイ・オンラインより要点のみ抜粋)

「今回のG7の市場にとってのポイントは2点です。まず、金融機関も責任のコストを負担する必要があると指摘したことです。つまり、金融システム安定に投じた公的資金の損失を金融機関にも負担させる方策を検討する考えを示しました。次に、ギリシャの財政悪化問題に関しては、欧州が域内で対応することを確約し、国際通貨基金(IMF)の力を借りない方針を示したことです。

先進国の金融機関への規制や負担強化がコミットメントされたことは、市場にとっては悪材料になりこそすれ、好材料になることはないと思います。

最悪なのは、2点目のギリシャ問題ですね。欧州が域内で対応することを確約するのなら、少なくとも、その具体策や、ザックリとしたスケジュールを示すべきでした。市場では、すでに、不安の矛先は、ギリシャだけなく、PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)全体に飛び火しつつあります。欧州の対応は、市場の期待するスピードに比べ、メチャクチャ遅いです。

■ギリシャへのあいまいな対応が、欧州市場の混乱を生む

こうなると予想されるのは、欧州金融市場の混乱です。

具体的には、欧州経済圏の中で経済規模が大きく、財政が健全なドイツの国債がガンガン買われ、逆に、PIIGS諸国の国債がガンガン売られるでしょう。また、為替市場では、ユーロが対主要通貨で売り込まれる公算が大きいです。特に、対ドルでの下落圧力が強まることでしょう。

そして、欧州株式市場では金融株と資源株が下落し、指数の急ピッチな調整が始まる可能性が高いとみています。つまり、声を持たない欧州金融市場は、混乱することによって、政策当局に対してPIIGS問題への早急な対応を迫ることになると考えます。

資源株の下落は、ドル高が進むのなら、ドル建てで取引される原油価格などに割高感が強まり、商品市況が下落する可能性が高いとみるからです。また、ドルの代替通貨として存在感を増してきた金価格も下落する公算も大きいでしょう。これは、一次産品の価格動向に経済成長を委ねる新興国の株式市場の下落につながる見通しです。

新興国の株が下落するようなら、リスクを回避するべく、投資マネーは新興国の株式市場のみならず、債券市場からも流出していくと考えます。

その一方、円は安全通貨としてドルと一緒に買われる可能性が高いとみています。つまり、円は対ユーロでは上昇するが、対ドルではあまり円安にならないとみています。むしろ、今後発表される米マクロ指標が弱い数字が相次ぐようなら、円が対ドルでも強含む可能性があります。また、季節的にも、日本の主力企業の多くでは3月決算です。このため、リパトリエーション(資金の本国還流)の動きが加速します。これも円高要因として作用するでしょう 。

■欧州ビジネスの比率が高い日本株に売り圧力

今週以降の日本株は、欧州株安、円高(特に、対ユーロ)、商品安という悪環境に悩まされる可能性が高そうです。欧州向けビジネスでの売上高が大きい企業や、商品価格下落が収益悪化材料になる企業への売り圧力が強まるとみておく必要があるでしょう。

また、3月期末を控え、国際会計基準の任意適用開始に備え、企業の持ち合い解消が加速する可能性も高いとみています。

こうなると、短期的に日本株の先高観は強まることはないとみています。よって、先物市場にはヘッジ売りニーズが強まり、先物の需給が悪化し、先物価格が理論価格に比べて、ディスカウント状態(逆ザヤ)になることが恒常化すると思います。そうなると、予想されるのが裁定解消売りの加速です。

ちなみに、1月29日時点の裁定買い残(裁定買い残、期近・期先の合計)は、2兆1389億円でした。前週比1660億円の減少でした。減少は9週ぶりです。この1週間で、日経平均は392.51円(3.7%)下落しました。おそらく、2月5日の週も、先物の逆ザヤが目立っていましたから、解消売りがそれなりに出たことでしょう。

特に、今週は週末が2月物のオプションSQです。まあ、日経平均が1万円を上回って推移すれば問題ありませんが、これがSQに向けて大きく割り込んでくるようだと、プット・オプションの売り方のデルタ・ヘッジ(オプション価格と原資産の差を少なくすることで損益の振れを少なくする手法)の先物売りが断続的に出てくることが予想されます。そうなると、先物価格のディスカウント幅が拡大し、それがまた、裁定解消売りを誘発するという悪循環に陥る可能性は低くはありません。

また、1月29日申込時点の信用取引の買い残は、前週比973億円増の1兆5781億円でした。増加は3週連続です。個人信用は、日経平均が1月15日に10982.10円の高値を付けた週から買い下がっている格好です。

一方、信用評価損益率は、1月29日時点でマイナス16.46%と、前週比0.46ポイント悪化しました。悪化は2週連続です。これがマイナス20%を下回るようだと、追証発生・回避に伴う投売りが加速することでしょう。なお、日経平均は29日の週も前週比140.95円(1.4%)下落しています。よって、評価損益率は一段と悪化していることでしょう。

さらに、外国人投資家は、1月第4週(25〜29日)は10週ぶりに売り越しました。売り越し額は456億円と小さいのですが、1月は、第3週までに約1兆5000億円の大幅に買い越したことを考えると、外国人の日本株買いはどうやら一服した可能性が高いですね。

09年11月27日の9076.41円から10年1月15日の10982.10円まで上昇は、国内勢の売りを外国人が一手に買い上げて実現しました。そのけん引役の外国人の買いが細る、若しくは、売り転換するのなら、その売りを吸収する買い主体が見当たりません。

■個人投資家は「買い場」を探すチャンス!

さて、このような状況下、初中級投資家がとるべきスタンスは「買い場探し」です。しかし、安易な押し目買いは禁物です。バーゲンセールを待ちましょう。

早ければ今週、遅くとも、3月のSQまでに、セリングクライマックスがやってくる公算が大きいとみています。信用買い残が増加すると同時に評価損益率が悪化しています。彼らがいずれどこかで辛抱たまらなくなって、建て玉や担保を値段構わず分“投げて”くるでしょう。そこが絶好の買い場になるとみています。」
http://zai.diamond.jp/servlets/Query?SRC=zai/serial/column&cate=fujii&art=97

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