高木ブー(上)をおぶってガッツポーズする中田亮=沖縄・読谷球場で (榎戸直紀撮影)
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「ブーちゃん」こと中日のドラフト3位の新人、中田亮二内野手(22)=亜大=が本家ブーさんから激励を受けた。ザ・ドリフターズで一世風靡(ふうび)し、大の中日ファンでもあるタレントの高木ブーさん(76)が7日、プライベートでキャンプ地の読谷球場を訪問。ブーちゃんは3カ条にわたり、成功の秘訣(ひけつ)を伝授された。
「ブー」の後輩をほっておくわけにはいかない。できれば「ブー」としての生き方を伝えたい。そんな強い思いが高木さんを突き動かした。高木ブーさんは仕事ではなく、完全なプライベートで沖縄を訪れた。もちろん自費。6日に東京から空路で沖縄入りし、さっそくこの日、ブーちゃんのもとを訪れた。
「同じ“ブー”ですし、ボクはドラゴンズが大好き。ジャイアンツに入っていたら、無視してましたけど。自分で『ブーだ』って言うんだから、どうしても会いたかった」
落合監督や昨季限りで引退した立浪さんとも、親交がある高木さん。「ザ・ドリフターズ」のメンバーとして、人気テレビ番組「8時だョ! 全員集合」や「ドリフ大爆笑」に出演し、80年代に大ブレークした。競争の激しい芸能界を生き抜いてきた。いわば「ブー」としての成功者。厳しい世界という意味では、プロ野球界にも通じるはず−。「ブーの伝統」を受けついでもらうためにも、54歳下の後輩に会いに来た。
身長160センチで体重80キロの高木さんから、体重118キロのブーちゃんへの講義は約5分間。合計約200キロの肉弾戦。「腹減ったな」「そうですね」の会話も交え、「ブー」ならではの成功術を、3カ条で伝えた。
<1>「ブー」としての誇りを持て 「デブは人が良すぎるのが多い。僕もケンカをしたことがないし、ブーちゃんも優しい顔をしている。デブに自信を持たないと」。試合は投手との真剣勝負。強い気持ちで戦わなければ、たちまち凡退する。
<2>「ブー」キャラを利用せよ 「『僕はブーです』って自己紹介すれば、相手は覚えてくれる。どんなセコいやり方でも、どのようにアピールするか考えないと」。現在は2軍の読谷組。昇格へ向け、目立つ方法を熟考すべきだと訴えた。
<3>嫌なことは翌日までに忘れろ 高木さん自身が「−全員集合」ですべった演技をしても、翌日は平然な顔でスタジオ入りしたという。「リーダーのいかりや(長介さん=故人)がまだ怒ってんのに無視して。昨日のことを引きずっても仕方ない。それができれば成功する」。エラーをしても、プロの試合は翌日も続く。切り替えの大切さを説いた。
なるほどの3カ条。先輩の助言にブーちゃんは刺激を受けた様子。「コントとかで有名な方ですよね。全員集合は知ってますよ。雷様? 見たことあります。僕も高木ブーさんのように、長く活躍できるように頑張ります」
この日は高木さんとの対面後、居残り特打などで懸命に調整を重ねた。「ブー魂」は継承した。あとはキャラを存分に生かし、偉大な先輩に続くだけだ。 (清水裕介)
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