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栃木
栃木「蔵の街観光」客足好調 遊覧船定着、TV後押しも(2009年10月24日 05:00)蔵の街・栃木を訪れる観光客の数が今春以降、好調な伸びを見せている。市中心部の観光拠点「とちぎ山車会館」の入場者は先月4155人と、昨年同月に比べ倍増。観光関係者の中には「年間観光客数は前年を5割上回る」との見方もある。巴波川の「遊覧船」などが定着してきたことに加え、テレビの情報番組で街並みが相次いで紹介されたことが要因で、市商工観光課は「一過性で終わらないよう、もてなしの体制をより強化していきたい」としている。 「これまで、日光への通過地点くらいにしか思っていなかったが、栃木がこんないい街だとは思わなかった」 ボランティアで観光ガイドを行う市観光ボランティア協会のメンバーは最近、観光客から「栃木の魅力を再発見した」という声を聞くようになった。 1988年に設立した同協会のメンバーは現在、主婦、元会社員、市職員OBなど29人。本年度上半期の6カ月で案内した団体は、前年度比約2割増の108件に上る。清田照子会長は「最近リピーターも増え、やりがいを感じている。われわれの基本は一期一会。この街の良さをもっと多くの人に知ってもらいたい」と意気込む。 本年度、国土交通省の「美しいまちなみ大賞」に選ばれた市中心部の「歴史的町並み景観形成地区」。蔵が連なる街並みや巴波川を前面に打ち出した官民一体の戦略が功を奏し、2007年度に減少した市内の観光客数は、08年度223万人(うち市中心部は28万人)と、増加に転じた。 加えて本年度は、蔵の街・栃木を紹介する情報番組が相次いでテレビで放映され、休日、平日を問わず市内観光する「子育てが終わった世代」(清田氏)の姿が目立ってきた。 この状況を受け、市はこれまでボランティア協会などに頼ってきた「おもてなし」の体制を強化。東京ディズニーリゾートの「キャスト」に倣えと、今月からはんてん姿で蔵の街を清掃しながら観光案内も行う「蔵の街キャスト」を採用した。 この試みは、巴波川の遊覧船などと同様、県の緊急雇用創出事業を活用。同事業の補助期間は3年のため、柏崎昇市経済部長は「この間に栃木の観光をいかに自立させるかが今後の鍵」と話す。 また「市民の皆さんには市の歴史を知ってもらい、市に愛着を持ってもらいたい。そういう視点で観光客と話をしていただければ」と呼び掛けている。 [写真説明]無料で観光ガイドを務める町観光ボランティア協会のメンバー
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