260円で約150食を出している大分市仲西町のスーパー「イトマン商店」=大分市仲西町
弁当の価格競争が県内で静かに繰り広げられていて、1食300円を切る弁当も登場している。大分市では総菜専門業者が大手スーパーで280円の弁当を販売、個人経営のスーパーは260円弁当で店の特色づくり、さらに本業が居酒屋の店は250円の弁当…。業者からは「ぎりぎりの値段」という声も出ているが、消費者は「安いのは助かる」と歓迎している。
スーパーの「イトマン商店」(大分市仲西町)が260円の弁当販売を始めたのは2年前。毎日、10種類、計150食を店に並べている。伊藤忠人社長は「個人経営のスーパーが生き残るには特徴が必要と思い、安い弁当の製造、販売に踏み切った」と話す。食材を市場から直接仕入れてコストを抑え、調理員に主婦を雇用して味にもこだわる。「安い弁当で客は約2倍に増えた。弁当と一緒に飲み物などを買う客も多く、売り上げがアップした」とにっこり。
280円の弁当は、県内のマルショク25店舗で総菜を扱っている大分惣菜(大分市原新町)が昨春から販売を始めた。周囲に競合店が多い店舗を中心に1日300~400食を出している。寺川勝洋社長は「多様な商品に目を向けてもらうための話題づくりの一環。採算はぎりぎり」と苦笑。
250円弁当を昨年売り出したのが「笑撃250円弁当や」。大分市の牧と都町にある居酒屋「とりぞう」前で1日に100食を販売している。「経営の柱は居酒屋で、弁当の値段に人件費を加えていないので安くできる。ただ、あまり安いと客は品質に不安を感じる。それを考えたぎりぎりの値段設定」と同店。
市内の40代の会社員男性は「飯やおかずは結構量があって腹にたまる」。50代の会社員男性は「昼食費を節約できるので安い弁当は大助かり」と歓迎する。
このほか、女性向けの弁当、煮物など手作りにこだわった弁当など、業者は値段だけでなく特色も打ち出してアピールしている。
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