昨年の衆院選で初当選した民主党の新人議員143人の資産も8日、一斉に公開された。小沢一郎幹事長が手塩に掛けた「小沢ガールズ」の懐具合はどうなっているのか。1人ずつ、中身をチェックしてみた。
「両親の介護のために10年以上のアルバイト生活」「年収は80万円」。そんな経歴がテレビや雑誌で話題となった比例東海の磯谷香代子氏(44)。ところが、公開された資産には、相続した土地のほか、大企業などの株が並んでいた。
トヨタ自動車(6千株)、住友金属工業(6千株)、劇場経営の御園座(みそのざ)(千株)、キユーピー(200株)……。株価の総額を計算すると、当選時点ではおよそ2700万円になった。
議員会館の事務所に行き、株保有の経緯などを尋ねた。だが、磯谷氏は「取材は一切受けない。不公平にならないように資産の取材も断ります」と話すと、手を振って記者に退室を促した。
テレビ局社員から転じ、福田康夫元首相と接戦を繰り広げた三宅雪子氏(44)=比例北関東=は、このテレビ局の3株と、東京都港区白金のマンションを保有。セレブが住むというあこがれの高級住宅街だ。
C型肝炎訴訟の原告だった福田衣里子氏(29)=長崎2区=は定期預金が150万円。
一方で、雑誌ライターや映画出演、河村たかし名古屋市長の衆院議員時代の秘書など様々な職歴を持つことで知られる田中美絵子氏(34)=比例北陸信越=は報告された資産がゼロ。元検事の山尾志桜里氏(35)=愛知7区=は普通車1台だけだった。
◇
約140人の民主党新人をチェックしたところ、預貯金などの総額と土地建物価格の合計が1億円を超えた「資産家」は3人で、いずれも実業家だった。
報告資産がゼロで、貸付金より大きな借入金を抱えていた議員は7人だった。(神崎卓征)