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抽選負けサントリー・清宮監督辞意表明

 辞意を表明したサントリー・清宮監督
 辞意を表明したサントリー・清宮監督

 「ラグビー日本選手権、NEC10-10サントリー」(7日、花園)

 1回戦4試合が行われ、2季連続準優勝でリーグ戦も2位のサントリーが抽選負けで姿を消した。ワイルドカードから出場のNECと10-10で引き分け、トライ、ゴール数とも同数のため大会史上初の抽選となり、NECが準々決勝に進んだ。サントリー・清宮克幸監督(42)は試合後、辞意を表明した。今季トップリーグ5位の神戸製鋼は同4位のトヨタ自動車に19-36で敗れ、準優勝した04年以来となる1回戦突破を逃し全日程を終了。クラブ王者の六甲ファイティングブル(FB)=兵庫=は大学王者・帝京大に7-76で敗れ、初出場初勝利はならなかった。

  ◇  ◇

 名将の口から、思いもよらない言葉が飛び出した。サントリー・清宮監督は、厳しい表情を崩さないまま会見場に姿を見せた。抽選負けの感想を問われると、「当然、責任を取ることになる」と辞意を表明。真意を問われると「わたしの去就で、(新聞各紙の)貴重な紙面を割くわけにはいかないでしょ。今は何も考えていません」と、独特の言い回しで、自らの進退を例えた。

 突然の辞意を間近で聞いた主将のフランカー佐々木は、ぼう然と立ち尽くした。「責任を取る、と言うとは思わなかった。あの人のためなら、この体をささげてもいいと思っている」とまで言った。慰留については「チャンスがあるなら、自分たちの手で優勝して送り出したかった。ただ、責任を取ると言ったら取る人なので…」と、目をはらした。

 決定的なチャンスをつかみながらミスを繰り返したことが、よもやの発言につながった。リーグ戦は11勝2分けと無敗ながら、プレーオフは1回戦で敗退。無冠の原因を聞かれた指揮官は「教えてよ。ここ一番で力が出せない。ここ数年のサントリーの大きな課題」と、大きくため息をついた。

 早大監督時代、低迷していた母校を関東対抗戦5連覇、さらに大学選手権3回優勝に導いた。2006年、サントリーの監督に就任し、日本選手権は2大会連続で準優勝。“3度目の正直”に挑みながら1回戦負けした現実を、42歳の名将はだれよりも重く受け止めていた。

(2010年2月7日)





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