女性専用ブースで化粧するギャル漫画家・浜田ブリトニーさん=東京都渋谷区宇田川町のネットカフェ「マンボー」、福岡亜純撮影
女性専用ブースで寝るギャル漫画家・浜田ブリトニーさん=東京都渋谷区宇田川町のネットカフェ「マンボー」、福岡亜純撮影
これまで男性客中心だったネットカフェで、女性客が増えている。終電に乗り遅れた会社員や地方からの旅行客がホテル代わりに利用するのに加え、仕事と住まいを失った「難民」が長期滞在するケースも。不況が女性の生活にも影を落としているとの見方もある。ネットカフェ側は女性専用ブースやネイルコーナーなどさまざまなサービスを打ち出している。
渋谷駅や東急ハンズに近いネットカフェ「マンボー」渋谷宇田川町店。青いタイル張りの床、オブジェ風の照明のある受付は一見ホテルのようだ。夕方、キャリーバッグを引きずる20〜30代の女性客やカップルが次々に訪れる。
「2003年のオープンのころに3割程度だった女性が、今では4割。日によっては客の半分が女性」と「マンボー」本社の広瀬智司部長。約50店ある同社全体でも、男女の割合が10年ほど前は7対3だったが、現在は6対4にまで女性の割合が増えている。
8時間連続して利用しても夜間のパック料金だと千円台と割安なネットカフェに、ホテルなどから切り替える客が多いためらしい。
渋谷に集う若い女性の生態を描いた「パギャル!」で知られる「ホームレスギャル漫画家」浜田ブリトニーさんによれば、宿泊の女性客が急に増えたのは2年ほど前から。年齢は25〜35歳くらいで、地方から都心に遊びに来た観光客、終電を逃した会社員、そして「難民」の3種類に分類できるという。
特に目につくようになったのが「難民」で、浜田さんの観察では女性客全体の約3割を占める。衣類やタオル、洗面道具の入った大きなバッグを抱え、受付と同時にシャワーの予約を入れるなど「慣れた行動」が特徴で、ほとんどが常連という。