千葉景子法相は5日、親による児童虐待から子供を守る方策として、親権を一時的に停止させるなどの親権制限制度を導入する民法改正を法制審議会に諮問した。
一時停止制度が導入されれば、虐待を受けた児童が施設などで一時保護されている場合、施設が児童の財産を管理したり、親に代わって契約などの法定代理人となることができる。親が病気の子供に必要な治療を受けさせずに放置する「医療ネグレクト」が起きた場合も、親権を制限して治療を行うことが可能となる。
現行法が定める親権喪失制度は、期限を設けずに親権全体を親から取り上げる。効果は大きいが、親子関係の修復が難しくなるなどとして親権制限の必要性が指摘されていた。08年4月施行の改正児童虐待防止法は付則で、施行から3年以内に民法の親権規定を見直すと定めている。【石川淳一】
毎日新聞 2010年2月5日 18時39分