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  定例記者会見
日時:平成19年12月3日 22時45分〜
場所:大分全日空ホテルオアシスタワー21階エトワール
司会 それでは宮内庁、大分県の共同記者会見を行います。
  まず、宮内庁の行啓主務官からお願いいたします。
行啓主務官 大変設定が遅いうえに、また開会も遅くなりまして、恐縮でございます。
  今回の大分行啓の行啓主務官を務めております東宮侍従の坂根でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。それでは早速ですが、殿下から本日のご感想を頂戴しておりますのでご紹介を申し上げます。
  「第1回アジア・太平洋水サミットが世界各国から多くの参加者を迎えて開会したことをうれしく思います。このサミットを通し、アジア・太平洋地域の多様な水問題が話し合われ、その解決に向けての議論が深まることを期待します。
  今日一日、水に関するさまざまな話を伺いながらアジア・太平洋地域の水問題が非常に深刻であるという認識を新たにしました。温暖化に伴うヒマラヤの氷河湖の決壊の問題などは日本に居てはなかなかその実態がつかみにくいですが、ヒマラヤ周辺の人々にとっては大変深刻な問題であるということを深く心に刻みました。
  水問題は極めて奥の深い問題だと思います。私も名誉総裁として水問題への理解をさらに深めながら名誉総裁の立場で、この問題に積極的に取り組んでいきたいと思います。
  また今日はPlaza Puer光の園を訪れましたが、子どもたちがいきいきとお遊戯やクッキーづくりを行っている姿が印象的でした。
  多くの県民の皆さまに温かく迎えていただき感謝いたします。」
司会 それでは続きまして広瀬大分県知事からお願いいたします
 広瀬知事 大分県知事の広瀬でございます。よろしくお願いいたします。
  殿下は昨夜遅く20時30分にご到着でございました。空港からこちらのホテルまで直行されたわけでございますけれども、多くの県民の皆さんが大変熱い気持ちでお迎えになったというふうにお見受けいたしました。殿下も車を止められて挨拶を返しておられましたのが大変印象的でございました。
  本日はビーコンプラザで第1回のアジア・太平洋水サミットの開会式がございましたけれども、36ヶ国880名の方の参加をいただきました。元首級の方もそのうちの 10名に及ぶ大変立派な開会式を開催することができました。
  森会長のご挨拶のあと、殿下からお言葉がございました。福田総理、トミー・コーさんのお話もございました。その後、アレキサンダー皇太子と、皇太子殿下から記念講演があったわけでございます。
  大変、殿下のお言葉は力のこもったお言葉で、その後のレセプション、夜のレセプションでも各国から大変、讃辞が述べられておりました。また基調講演では水運の話に関連しまして、大分県の国埼津(くにさきのつ)、あるいは坂門津(さかとのつ)のお話が出てまいりました。またフランシスコ・ザビエルの足跡をたどりながら瀬戸内の水運についてお話がございました。また田染荘(たしぶのしょう)、これは水を有効に使っているという例証としてお話がございました。いろんなところで大分県のお話が出まして大変感激をしたところであります。
  午後、私の方から大分県の県政概要についてご説明を申し上げました。その際には改めまして殿下のご来県につきまして感謝を申し上げるとともに、大分県の県政の概要についてご説明を申し上げたところでございます。
  大分県では「安心・活力・発展」ということをキーワードに県政に取り組んでおりますけれども、そのことを中心にご説明を申し上げました。
  その後、いまお話のございました光の園へ行啓をいただいたところでございます。保育所と児童養護施設をご視察いただきました。保育所では園児によるメジロンダンスのお遊戯をご覧いただきました。その後、「よくできましたね」という、お褒めの言葉もございましたし、それから「保育所は楽しいですか」とか、「どんなことが面白いですか」といったようお言葉がございまして、大変、子どもたちに温かいお気持ちで接していただきました。
  それから児童養護施設の方ではクッキーづくりを殿下自ら仲間に入ってやっていただきました。「この道具はどうやって使うんですか」とか、「いつもみんなでクッキーづくりをしてるんですか」とか、「楽しかったね」といったようなお話をしておられました。大変ご熱心にクッキーづくりにも参加していただきまして、お召しものがちょっと粉で汚れるぐらい熱心にやっておられました。家庭に恵まれない子どもたちの施設でございましたけれども、楽しく明るくやっているかどうかということを本当にお気を遣いながら質問をしておられたのが印象的でございました。
  その後、ビーコンプラザにお戻りになりまして、分科会の一つ「ヒマラヤ地域の氷河と水」というセッションで熱心にお話を聞いておられました。
  そしてその後、大分県委員会主催の歓迎レセプションにもご出席をいただきました。歓迎レセプションでは出席された各国の首脳の皆さん方と丁寧にお話をしておられました。大変皆さま感激をしておられました。
  それから、終わりましてオアシスタワーにお帰りになったということでございます。
  もう遅くなっておりましたけれども、沿道で多くの市民が歓迎をしておりました。一々殿下の方からもお応えをしていただきまして大変に感激をいたしました。
  私からは以上でございます。
 
司会 それでは各社からご質問ございましたら順次お願いいたします。
記者 広瀬知事にお伺いします。先ほどのご説明の中で県政概要がありまして、「安心・活力・発展」ということをおっしゃったということなのですが、殿下はどんなところに関心を持たれて、どんなやりとりがあったというのが具体的にありましたら教えてください。
広瀬知事 一つは、大分県は山、川、海と豊かな天然自然に恵まれておりますというご説明を申し上げましたけれども、そのことについて自然を守るためにいろいろ努力をしているのですねというお言葉がございました。
  それから、車いすマラソンについてのご説明もいたしましたけれども、2時間を切る早いスピードで走るんですよねというようなことで、もうよくご存じでございまして、記録のことまでお話をしておられました。
  それから、農業、林業、漁業についてのお話も申し上げましたけれども、その中で農業、漁業、いまいろいろ課題も多いと思いますけれども、どんな問題がありますかというようなお話もございました。
  それから経済振興策ということで、企業誘致をいろいろやっておりますというお話を申し上げましたけれども、その中で明日ご視察をいただくことになっているからかもしれませんがキヤノンの工場のことについてご質問がございました。
  それから文化スポーツということでアルゲリッチ音楽祭のお話をご説明申し上げましたけれども、今年で何回目になりますかというお話もございまして、もう9回ですというお話を申し上げたところでございます。
  それから最後に来年は大分県で国体と全国障害者スポーツ大会がございますというご説明を申し上げました。ぜひ、その際には、またご来県を賜りたいということを申し上げました。これについては黙っておられました。
司会 その他ございましたら。
記者 いまの関連で農業、林業、漁業の問題について殿下から質問があったということで、その具体的なやりとりを教えてください。
 広瀬知事 どんな課題がありますかということでございましたから、農業については、いま農産品の価格が下がってきていると、特にお米の値段等が下がってきて、そういう中でどうやって農業の再生を図るかということで、いろいろ知恵を出さなければならないという時期にきておりますということ、それから漁業の問題では、海面漁業では油の値上りが大変響いておりますと、それから養殖漁業では餌代が値上りをして困っておりますというようなお話を申し上げました。
司会 その他ございますか。はい、どうぞ。
記者 記念講演に関してなのですけれども、殿下の記念講演終わった後の昼食会が直後にあったかと思うのですが、そちらでの殿下のご様子、講演についてのご感想など何かおっしゃっていたかということと、アレキサンダー皇太子はじめ委員の方からも各自感想が寄せられていたというふうにお話を聞いているのですけれども、具体的な内容についてお伺いできればと思うのですが。
行啓主務官 この昼食会は国連の水と衛生に関する諮問委員会のプライベートな形での昼食会です。たまたまこのサミットにお集まりいただいた方々がこの機会に昼食をということでお集まりいただきました。そういう意味で私どももその場に入っておりませんが、殿下から後で伺いましたところ非常に楽しい、いろんな話がはずんだ昼食会でしたというふうに、非常に何か楽しくお過ごしになったご様子でした。
  詳しくは今日、諮問委員会の委員であります尾田栄章さんがご出席されていますので、お伺いいただければと思います。
司会 どうぞ、尾田さん。
尾田 よろしゅうございますか。国連事務総長、水と衛生に関する諮問委員会、英語ではUNSGABと呼んでおりますが、その諮問委員を務めております。尾田でございます。今日、このUNSGABの昼食会、いま侍従の方からお話がありましたとおり、全く非公式なもので、非公式というのはUNSGABの定例の会議ではないという意味でありますが、そういうことで、せっかく集まったので、この機会にいろんな議論をしようということになりました。たまたまコロンビアのボゴタで1か月もたたないと思いますが、定例会が開かれたところでございましたので、まさにみんないろんな問題意識を持って集まっております。その中で皇太子殿下がはじめて名誉総裁という形でご出席をいただいたということでして、出席した委員は口々に自分がどういう問題を抱えてるかということで、お話をさせていただいて、本当に厳しい世界の水問題を話すわけですが、雰囲気としてはとても温かい穏やかなといいますか、非常に楽しい中で議論をすると、ただし、その事柄自体は本当に厳しい状態の水問題の議論ということでございました。
  詳細にお話をさせていただきますと、まず議長でありますオランダの皇太子殿下オレンジ公から、今回どういう形でこの会をもったかというお話があって、そしてすぐに殿下にご紹介といいますか、こういう形でご出席をいただいているので、ぜひまずお話をいただきたいと、こういうことで殿下の方からお話がございました。
  殿下としてはやっぱりこの世界が抱えてる水問題の厳しさに対して十分自分としても勉強をして認識を深めて、自分としてできることは最大限出していきたいという、そういうお気持ちをお話なさいますとともに、愛子内親王殿下が6歳におなりになって水問題に非常に関心をお持ちで、そして水問題について非常にお詳しいのだというお話をされまして、出席した委員のみんなが非常に和やかな雰囲気になりました。
  自分よりも詳しくなって名誉総裁の地位がどうのこうのというぐらいの、非常に面白いジョークと言いますか、みんな非常に楽しく聞かせていただきました。
  その後、前の議長夫人であります橋本久美子さんがご出席になっておられましたので、橋本夫人の方からごあいさつがあって、その後UNSGABのいままでの活動に関する経過報告をUNSGABの事務局長を務めております廣木謙三さんの方から説明を受け、その後各委員から殿下の方に自分が抱えている問題意識をお話をすると、その中で一人ひとりのやりとりの中で、みんなが、各委員が意見を言いあうというような感じになりますので、議論自体が、その会合自体が非常にはずんでいくような新しくいろんな展開がでてくるような、そんな形で会合が進みました。
  一応、予定の時間、少々オーバーしたかと思いますが、14時35分、まあ40分ぐらいになりましたでしょうか、それで会合が閉じられたという形でございます。会合自体も委員と、いま申しました事務局長合わせて、ちょうど10名でございました。それ以外は誰も入らないという、本当に委員の間でのやりとりができたということです。
  元々この諮問委員会そのものが、そういう委員の間で問題意識をお互いに啓発して世界の水問題の解決に何が必要かということを考えていこうと、そういう場でございますので、非常によい一つのマイルストーンになったのではないかというふうに思っております。以上でございます。
司会 よろしいでしょうか。
記者 講演の直後だったので、何か講演に関して殿下ご自身、もしくは出席者の方から何かお話等はございませんでしたでしょうか。
尾田 出席者の間は、もう皆さん方、殿下のご講演を第3回の時、第4回の時もお聞きになってられる方が多くて、今回どういうことをお話いただけるかなと、みんな興味を持っておりましたので、今回の記念講演に関して、みんなそれは当然大変面白いお話で、しかも殿下の自らの写真をお使いになったり、自らの経験をベースにして、その上で水問題との関連でお話になりましたので、まさに、殿下ご自身のお考えをお聞かせ願ったという受け止め方をした人たちが非常に多いことと、それと最初の写真が、皆さんご覧になったかと思いますが、自らお撮りになられたネパールでの写真ですが、女性と子どもが集まっているのに、水が本当に落ちないという、あの写真が殿下の水問題をお考えになっておられる原点の一つだということをみんなよくわかったということで、そこからまたいろんな話が広がったりしておりました。
司会 よろしいでしょうか。
記者 いまお話にも出たのですが、愛子様が非常に水問題にお詳しいというお話があったそうですが、具体的には何かエピソードみたいなものというのはあったのでしょうか。
たとえば殿下とのやりとりの中で。
尾田 具体的なエピソードというところまではないですが。
記者 何かお家の中で、こういうことに注意されているとか、そういう話とかではないでしょうか。
尾田 特になかったように思いますが。
司会 よろしいでしょうか。それでは隣の方、どうぞ。
記者 いまの愛子様のところで、もう一度。先ほど、愛子様が皇太子殿下より、自分より詳しくなって、地位がどうのこうのという冗談ということで、どうのこうのというのは、もう自分の地位が脅かされてしまうとか、そういうような意味のジョークということなのでしょうか。
尾田 いやいや、そこまではありませんが、愛子内親王殿下が水問題に興味を持って非常に詳しくなっておられるということを、ある比喩の形でお話になっておられたということです。
記者 どんな比喩を、、、
尾田 いや、、、
記者 ジョークということだったら、何かそんな刺激的な、、
尾田 私よりも水問題、詳しいかもわからないというようなジョークを言われて、それでみんながドッと笑ったということもございました。
記者 わかりました。あともう一点、知事にお尋ねしたいのですけれども、明日、大分キヤノンを見学されるということなのですが、今回の訪問先でキヤノンを選ばれたという理由をお聞かせいただけますでしょうか。
広瀬知事 新鋭工場で、部品のところからずっと最後の製品にするまで一貫して作っているというようなところでなかなか面白いところではないかなと、それからもう一つは水もずいぶん使うのですけれども、それを循環して使っているというようなことで、水の有効利用ということについても面白い試みをやっていますから、そういう意味でご覧いただいたらどうかなということで推薦を申し上げたところです。
司会 よろしいでしょうか。その他ございましたら。
広瀬知事 愛子内親王殿下と言えば、今日、養護施設の方で、施設長さんが、みんなで愛子様の誕生日の時のテレビを拝見しましたと、こういうお話をしましたら、子どもの中から愛子様じゃなくて、愛ちゃんでしょうという話がありまして、大変殿下が大笑いをしておられました。
司会 その他。どうでしょう。それでは質問もないようですので、以上で会見を終わらせていただきたいと思います。どうもお疲れ様でした。
[記録作成:企画振興部広報広聴課]
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