若者の間に広がりつつある排外的な空気を危惧(きぐ)する人たちが5日、「排外主義にNO!in福岡」(綛谷(かせたに)智雄代表)を発足させた。
福岡市であった発足集会には九州各地から90人が参加した。朝鮮学校などに押しかけ、拡声器で暴言を浴びせかける若者らの映像を見た後、福岡朝鮮初級学校の趙星来(チョウソンレ)校長が06年7月5日の北朝鮮のミサイル実験以降、わめきながら校門をよじ登る不法侵入や器物破損など42件の被害があり、今も毎日集団登下校を続けている実態を報告した。
意見交換では、ネット右翼の友人が排外主義から抜けた経緯を紹介した24歳の男性フリーターの訴えが共感を呼んだ。その友人は「在日が生活保護をたくさんもらっている」と口汚くののしっていたが、実は彼も別の理由でいじめられていた。男性が「在日の人に文句言うより、困っている日本人が生活保護を受けられるようになぜ考えられないの」と諭すと、「自分が間違っていた」と劇的に考えを変えてくれたという。「差別された者同士が差別の種類を超えた連帯を結ぶ道を」との主張に問題解決の鍵を見いだした参加者が多かったようだ。【福岡賢正】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2010年2月7日 地方版