プリウス、リコールかサービスキャンペーン

2010年2月7日(日) 12時57分
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国土交通省の画像
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前原国交相は5日の閣議後の会見で、新型トヨタ『プリウス』のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)作動時における回生ブレーキと油圧ブレーキの切替タイミングで生じる“空走感”について、トヨタ自動車がリコールもしくは、サービスキャンペーンを実施するのではないかという見解を示した。

前原氏は、5日夕方の時点でトヨタ自動車から具体的対応についての「話はない」としながらも、「事務方から聞いているのは、リコールもしくはサービスキャンペーンはやるということで、どちらかの対応は取る。(あとは)どちらをとるのかということ」と話し、トヨタ自動車が法令や通達に基づく改善対策のいずれかを選択するであろうことを示した。

また、それと同時に「日本製のプリウスは海外にも輸出されているので、そういったものの対策も含めて、現在対応を進めているのではないかと推察している」と語った。

前原氏は3日夜、品質保証を担当する佐々木眞一副社長の訪問を受けた。そこで同社の報告を受けたが、顧客対応に不満があることを、同じ会見で答えている。

自動車メーカーの設計や製造段階を原因とする安全上の車両対策は、その深刻度によって3つの段階がある。

「リコール」は国土交通省への届出を必要として、修理をした車両改修割合について報告の義務を負う最も重い措置。対象車両が道路運送車両法の保安基準に不適応、または適応しなくなる可能性がある場合に実施する。また、基準不適合でない場合でもそのままにしておくことができない状況の場合は「改善対策」として同省へ届け出る。

この2つは省令に基づくものだが、「サービスキャンペーン」はそのどちらにも該当しないもので、メーカーが商品性や品質改善のために自主的に行う改修だ。これは同省の通達で規定されている。

前原氏の会見から約3時間後に行われた豊田章男社長の会見では、法令や通達に基づく対策に踏み切るという発言はなかった。はたして新型プリウスの“空走感”についての対策が、全車に渡って安全上必要なものかどうか精査している段階であるという立場だ。この段階で、あえて安全性を監督する官庁のトップが対策に言及したことは、同社の姿勢に大きな影響を及ぼすと考えられる。

《中島みなみ》
名古屋市内で行われた豊田章男社長らの会見は、同社の東京本社にも中継された。豊田章男社長(左)と佐々木眞一副社長(右)(撮影=中島みなみ)の画像
前原国交相(撮影=中島みなみ)の画像
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