医療について理解を深める市民講座「医療崩壊から医療再生へ」が6日、いわき市中央台のいわき明星大で開かれた。県立大野病院(大熊町)で04年に起きた医療事故で業務上過失致死罪などで起訴され、後に無罪判決を受けた産科医の弁護人だった安福謙二弁護士(62)=第二東京弁護士会所属=が講演し、「患者から信頼を得る継続的な努力が、結果的に事故を減らし、訴訟も回避できる」と話した。
安福弁護士は「医療崩壊!大野病院事件を考える」と題し、医療従事者や学生など約200人を前に講演。
同事件で県が設置した事故調査委員会が作成した報告書を「過失を問うだけのもので、事故の背景など再発防止策に一切触れていない」と指摘した。
その上で、「事故の真相解明による再発防止が、本当の意味での解決。専門知識のある医療従事者が検証しなければ、医療に素人の検察官や裁判官が間違った判断を下すことになる」と述べた。【神保圭作】
毎日新聞 2010年2月7日 地方版