「衆院選での必勝と、政権交代の実現に向け、挙党一致の態勢をより強固にするために、この身をなげうち、民主党代表の職を辞することを決意した」「何が何でもここで(衆院選に)勝たなければならない。党内の結束、団結が絶対不可欠の条件だ。党内が乱れていたのでは衆院選に勝利できない。私が代表の職にとどまることで、挙党一致の態勢を強固にする上で少しでも差し障りがあるならば、本意ではない。まさに身を捨て必ず勝利する。私の覚悟、私の決断はその一点にある」
衆院選を参院選に置き換えれば、現状に当てはまるのではないか。有力閣僚が「昨年のデジャビュだ」と語るのもうなずける。
昨年は小沢辞任後、鳩山由紀夫が代表の座に就き、衆院選圧勝の一因になった。そう考えると、小沢は今回、責任を取らないことで「辞任カード」を手にした。
小沢に急接近するアメリカ
今後、小沢が辞めるか辞めないか、後継は誰かが政局の水面下で最大の関心事となろう。辞任時期として当面、考えられるのは来年度予算案が衆院を通過する3月上旬ごろ、次に参院選の2カ月前となる5月連休前後だ。後継には内閣改造を伴わないならば、参院議員会長で幹事長職務代行の輿石東、副幹事長の細野豪志、最近小沢の評価がとみに高まっている選挙対策委員長代理・海江田万里らの名前が挙がっている。
もっとも、小沢は辞めないで参院選に突入することも可能だ。首相・鳩山由紀夫は「今、党の人事をうんぬんするという状況ではない」と語り、辞めさせるつもりはなく、そもそもその力もない。党内力学を見ても、小沢を辞めさせる力量を持った人物は皆無だ。
こうした中で小沢は中央突破する構えを見せている。不起訴決定の翌5日、自民党を離党した田村耕太郎参院議員(鳥取選挙区)に入党を要請した。また、5月連休中にも訪米する計画を検討している。
キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が2日に小沢と会談した際、大規模な訪米団を編成し、ワシントンを訪れるよう要請した。鳩山の指導力に大きな疑問を抱く米国は政権を牛耳る小沢に急接近しており、東京地検特捜部が起訴を断念した時も民主党内で「米国が圧力を掛けたらしい」という観測すら流れた。
しかし、小沢の進退を決めるのはあくまで日本国内の世論だ。
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